2009/02/07(土)プリンターの詰替インク
日本では、2大メーカーのプリンタが主流です。国内メーカーだし、国土が狭いから、インクの入手に困ることはありません。
家電量販店やホームセンターには、現行機種用のインクカートリッジが必ず並んでいます。通販もあるし・・・
海外では、外国製プリンターの純正インクが、常時入手できるとは限りません。メーカーの流通経路が整備されてないことを突いて、海賊版のインクが巾をきかせています。
最近では、日本国内でもチラホラ見かけるようになりました。
以前、1年おきにドイツで開催されるフォトキナに行ったときの話です。デジタルプリンターが急速に普及し始めたころでした。
有名メーカーに混じって、聞いたこともないような名前の小さなブースもありました。ブースといっても、机を1~2本並べただけの簡素なもので、通路に沿って点々と店を張っていました。
並んでいたのは、インクジェットプリンター用の詰め替えインクです。小さなボトルに詰めたインクと注射器が、セットになって売られていました。怪しげです。
売り子を見ると、イラン人っぽい風貌のひとが多かったですね。わざわざドイツまで商売に来たようです。商魂たくましい人達です。
あまり繁盛しているようには見えませんでした。使用済みのカートリッジにインクを詰め直すのは、トラブルのリスクが高い方法です。売り子も商品もどことなく怪しい雰囲気だったし・・・
別の中国系企業のブースでは、日本メーカー用の海賊版のインクカートリッジが並んでいました。きちんとパッケージされた製品です。日本では難しいでしょうが、世界全体でみれば、そこそこの需要はありそうです。
純正インクは高いですからね。プリンター本体は安売りしても、後でインクや紙で儲かる仕組みになっています。コピー機と同じですね。
2009/02/06(金)印画紙とプリント用紙
日本の住宅事情では、マイ暗室は道楽の極みです。運よく残っていても、激しい弾圧にさらされて、いま頃は物置でしょうね。(モノクロ写真の愛好家は隠れキリシタンか!)
その点、デジタル写真の画像処理は、明室でパソコンです。パソコンもプリンターもほかに使い道があるから、暗室みたいに「弾圧」の対象になることはありません。
印画紙と現像液が、印刷用紙とインクに替わるので、いくぶん勝手が違いますが、写真をプリントすることに変わりはないはずです。紙とインクの組合せで、プリント結果が違ってくるのは、印画紙と同じですね。
インクジェットプリンターは、使う紙と印刷モードの設定で、プリント結果が大きく変わります。たまに設定を間違えて、とんでもない色調になることがあるから、紙の選択が重要な要素だということがわかります。
メーカー指定の専用紙と、それ用の印刷モードの組み合わせがベストかというと、そうでもないようです。あのプリンターには他社のこのペーパーがいい・・といった裏情報が飛び交う世界です。
印刷する紙は、メーカーの「純正品」である必要はありません。また、他社のも含めてインクジェット紙である必要もありません。紙でも布でも、プリンターに通る薄い素材なら何でもいいわけです。
和紙なんか、おもしろそうです。表面の独特のテクスチャーは、印画紙では得られません。(アートエマルジョンを塗る手もあるけどね)
「酸化セリウム」の先生の御曹司は、エアーマット・スプレーで事前に加工した紙を使ってプリントしていました。独特のザラザラ感がモノクロ画像によくマッチしています。
スプレーを吹く前に余白部分をマスキングして、画像の部分だけを表面加工すれば、ネタバレしなくて済んだのに・・・
お父上もそんなことを言ってました。セガレはどうやら職人気質ではないようです。
2009/02/05(木)暗室を思い出すデジタル画像処理
銀塩写真では、撮影の目的によってフィルムを選択していました。アマチュアのなかには、フィルムの使い分けをしないひともいましたが、業務用途では必須の要素です。
デジタルカメラは、撮影ごとに撮像板を入れ替えることはできません。CCDをCMOSに替えたりはできないわけです。自分が求める画像を得たいと思ったら、カメラ側の設定をいじる以外に、RAWモードで撮影して「現像」することになります。
ある意味では、デジタル写真は、モノクロ写真の暗室処理に似ていますね。暗室にこもる代わりに、明室でパソコンです。
「酸化セリウム」の先生の御曹司は、デジタルでモノクロ写真をやっています。オヤジは暗室で、セガレはパソコンで「現像」しています。うまい棲み分けですね。
銀塩の暗室処理は歴史があるので、蓄積された技法の踏襲です。一方、デジタル画像処理は、まだ未開拓の部分があって、新しい技法を生み出す楽しみがあります。
昨年暮れに訪問したときに、御曹司から新しい作品を見せてもらいました。まだ実験段階のプリントでしたが、紙の素材や画像データの処理方法をアレコレ変えていました。やってて面白いでしょうね。
どんな素材、どんな技法を使おうと、最終的にはプリントされた画像の内容が一番大事です。自分なりのイメージを持っているから、そのうち大成するかもしれません。
自宅の暗室はなくしてしまったし、ダーストの引伸機はもう手元にありません。もう一度昔の暗室時代を思い出して、パソコンでモノクロのデジタル写真でもやってみますかね。