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2009年03月18日の記事

2009/03/18(水)飲み物の撮影技術2

 ジュースの缶から中身をグラスに注ぐシーンを撮影するときは、缶自体を加工します。何本も用意して実際に注ぐよりも、イメージどおりのシーンを効率よく撮影できます。

 空の缶の底に穴を開けて、チューブをつなぎます。
 ラベルの向きを考えて、プルキャップの位置がよい缶を選びます。缶を斜めに浮かせた状態にセットし、底の隅に穴を開けます。チューブをつないだ部分をトリミングして画面の外にすれば、宙に浮いた缶からジュースが注がれるシーンが体現できます。上をトリミングするか、横を切るかで、穴を開ける位置が変わります。

 缶を固定する方法は色々あります。一番簡単なのは、後ろの壁から棒を出して缶を固定する方法です。支える棒が缶の後ろに隠れるので、宙に浮いた感じを演出できます。
 チューブに沿って斜め上から棒を出し、後でトリミングしても構いません。背景との距離を取りたい場合は、このやり方がお奨めです。チューブを棒に固定できるので便利です。

 細いチューブでは、ジュースがチョロチョロしか出ません。チューブの太さをどうするかがミソです。チューブの先端にロートを取り付けて注ぎ込みますが、空気抜きの穴を開けるかどうかで、ジュースの出方が変わります。
 まるで科学実験ですね。一度データを握れば、次回からは加工が楽になります。

 動きのある被写体では、スローシャッターは使えません。タングステン照明ではなく、ストロボを使います。
 ミルクの「王冠」を撮るのと違って、何万分の1秒である必要はありません。閃光時間が比較的遅めの業務用ストロボでも実用できます。

 ライティングは、ジュースの透明感を出すために、後方からの照明が有効です。バックグラウンドライトを入れて、背景を白抜きにするのが一般的な方法ですが、グラスが背景に溶け込まないように注意します。
 グラスの輪郭を出すには、黒ケント紙を両サイドに置いて映り込ませるのがよいでしょう。
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