2008/02/11(月)集合写真 その2

 ずいぶん昔に先輩に頼まれて、結婚式もやっている会館でクラス会の集合写真を撮ったことがあります。写真室を使う許可が取ってある、というので、出写用のストロボを用意していきました。場所は借りられても照明設備は使えないと判断したからです。プロは自分の道具は貸しませんから。
 写真室のカメラマンに挨拶して、「2400WSのジェネと傘2灯で撮る」と伝えると、「ここの照明設備を使ったらいい」との返事。ただの素人ではない、と見てくれたようです。重い電源部を担いでいった甲斐がありました。手ぶらで行ったらそうはいきません。

 アマチュアが集合写真を撮る場合は、写真室のようにきちんと照明された場所はまずありません。どこかその辺の広い場所を見つけて撮ることになります。できれば建物の外で撮ったほうが、失敗がありません。光が均一で、被写体との距離が十分取れるからです。
 注意したいのは、ドレスを屋外に持ち出せないケースが多いことです。式場の衣装室で借りた場合は、屋外での使用を禁止していることが多いようです。花嫁なしでは、集合写真は撮れません。

 運よく屋外で撮影できるなら、なるべく直射光が当たらない場所を選びます。撮影者が太陽を背に順光で撮影できるなら、直射光でも構いません。斜光線や一部だけ直射光が当たるような場所は、避けたほうが無難です。
 デジタル一眼レフで撮影する場合、レンズの焦点距離は135フルサイズ換算で35mm(APS-Cサイズなら28mm)、絞りはF8からF11を目安にします。画素数は最大にし、感度はISO100からISO200程度に落とします。自分も写るつもりなら、もちろん三脚が必要です。式場のスタッフにシャッターを押してもらう場合でも、三脚に固定してあったほうが安心です。

 セルフタイマーで撮るにせよ式場のスタッフに頼むにせよ、シャッターと絞りはマニュアルでセットします。接眼部から光が入ると自動露出の場合は狂いが生じます。
 ピントもマニュアルにして固定します。前後3列までなら、最前列にピントを合わせます。少し写真の知識があるひとは、被写界深度は前に浅く奥に深い、ということを知っていると思います。最前列は主賓ですから、最重視します。
 4列・5列なら最前列の次の2列目にピントを合わせます。F8以上の絞りならすべて被写界深度内に収まります。露出もピントも固定されているので、誰がシャッターを押しても同じ結果になるはずです。

 次回は日中シンクロと室内での撮影について。

2008/02/10(日)集合写真の撮り方

 記念行事につきものは集合写真です。昔から写真屋さんの出番でした。結婚式でも親族一堂集まって、写真室で写しますよね。

 写真室には大抵ひな壇があって、新郎新婦を中心に主賓が前列、あとの親族は適当に壇上に上がります。数十人の集合写真を撮るためには、そこそこ広いスペースが必要ですが、式場の写真室はかなり狭くて、撮影者は部屋の奥にへばりつくようにして撮影しています。
 かなりワイドなレンズを使うので、どうしても画面の四隅に引っ張られるように画像が歪みます。だから、最上段と上から2段目の両隅には人を立たせないようにしています。隅っこのひとは、顔が平行四辺形に歪んでしまうからです。
 大事な日の写真ですから、最低3回はシャッターを切るはずです。黒い布を被って撮っていたら、シノゴ判という大判サイズのフィルムを使っています。シノゴ判のフィルムはカットホルダーの裏と表で2回撮ります。失敗に備えてブローニー判で1枚押さえるので、合計3回になるわけです。
 手馴れた写真室は、一度に現像しません。一度に現像に出すと、ラボがトラブったら全てパーになるからです。1枚現像してOKなら、あとは未現像のままボツにします。失敗しないプロのやり方は、別々のカメラで撮影し、日にちをずらして現像する・・・これが鉄則です。

 アマチュアが撮る集合写真は、ここまで丁寧にはできません。目つぶりに備えて、せいぜいシャツターを2回切るくらいです。できれば、カメラを換えてもう1回写しておくと、安心ですけどね。それ以上撮ると、うるさ型の叔父さんあたりから、「おいおい、大丈夫か?」なんてヤジが飛んだりするので、3回まででしょうね。事前に「3回お撮りします!」と声をかけておけば、文句は出ないはずです。
 普通のひとは自分からカメラが見えていれば、顔がすべて写ると思っています。前列に並んだひとの間から後ろのひとの顔がきちんと見えるように、具体的に指示して整えます。いくらアマチュアでも「一人くらいは・・・」という考え方はいけません。並んだひと全員がきちんと写って、はじめて「集合写真」になるわけです。

 集合写真を上手に撮る秘訣は、これから順を追って紹介していきます。

2008/02/09(土)レストランも色々

 一時流行ったレストランウェディングは、このところやや減少傾向にあるようです。新しいゲストハウスやガーデンウェディングの式場が、続々とオープンしているせいかもしれません。挙式形態が多様化している影響もあると思います。

 レストランと一口にいっても、色々な形態があります。お昼のランチをやっているレストランもあれば、結婚式に特化しているところもあります。結婚式専門のところは、結婚式場の披露宴会場と大した違いはありません。天井の高さやフロア面積が違う程度です。
 ところが、「結婚披露パーティーもやらないことはない」といった本物のレストランは、少し勝手が違います。オーナーシェフのこだわりが強く反映されるからです。

 以前、身内の披露パーティーをやったレストランは、お昼にランチをやっているフランス料理のレストランでした。事前に嫌いな食べ物のアンケート調査があり、ゲスト一人一人を別メニューにする、というのです。「嫌いな料理は他にまわすからいい」と言ったんですが、「そういうことをして欲しくない」とシェフが言っているそうで、遠慮なく書かせてもらいました。さすがのシェフも、好き嫌いの激しい注文に、「うーむ、困ったなぁ」とうなっていたそうですが、ホントに別メニューでしたね。
 最初の挨拶で、新郎新婦から「各テーブルを回ってお酌をするのはマナー違反になる」という主旨の話があったので、いつもの披露宴会場の風景とは違った雰囲気のパーティーでした。普通の家庭の年配者には違和感があったかもしれません。でも、皆一様に「料理はおしいかったね」といっていたので、よかったと思います。

 こういう本物志向のレストランでの撮影は、難しいですね。ケーキ入刀もなければ、キャンドルサービスもありません。各テーブルでの談話がメインなので、音声を記録できないカメラは出番がありません。自然な笑顔を狙うには大口径の望遠レンズが必要です。F値の暗いレンズだと手ブレするし、かといってストロボをバンバン焚いたのでは雰囲気が壊れるし・・・
 でも、おいしい料理をじっくり味わうことができました。カウンターの内側が厨房になっていたので、カップルの名前をパウダーシュガーで書いたお皿など、料理がらみの「小物」は忘れずに押えておきましたが・・・

 最近は二次会が流行っているそうです。少し前までレストランウェディングを宣伝していたところが、二次会の宣伝に切り替えていました。ブライダル関係は、皆さんしぶといですね。
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