2024/10/26(土)眼球内の空気で虫メガネ状態に

 歳をとると体中のあちこちにガタがきて、「救急車を呼ぶくらいなら霊柩車を呼んでくれ!」というくらい医者嫌いな私でも時には医療機関の世話になることがあります。今回は眼科です。

 運転免許の更新で視力検査が通らずに往生したのがきっかけです。眼科を受診したら白内障のほかに網膜に異常があるとか。町医者では手に負えないみたいで、大きな眼科病院を紹介されました。

 白内障はまだ初期段階で、電球を見ると少しハロがかかっている程度です。視力低下の原因は網膜(黄斑)の前に薄い膜が張っているからだとか。悪くなることはあっても自然に良くなることはないと言います。視力が落ちてからだと手術しても回復しないことがあるそうです。

 0.6 までは見えてるから日常生活には支障はないけど、免許の更新は 0.7 以上です。今回はギリギリで通ったものの次回の更新時は間違いなくアウトでしょうね。手術することにしました。

 入院して片目ずつ手術します。白内障と黄斑前膜で1回 20 分くらいでした。眼に違和感はあるけどとくに痛いというほどではなかったです。硝子体の一部を取り除いたあとに空気を注入しました。ほかに水とかガス、シリコンオイルを入れることもあるみたいです。シリコンオイルだけは自然になくならないので数か月後に手術で取り除く必要がありますが、今回は空気だから再手術は不要です。

 空気の浮力で眼底を押し上げるために、うつむき姿勢を強要されます。手術後に視力が戻ってくると、眼帯のガーゼ越しに大きな丸いものがゆらゆらしているのがわかります。初めのころは視野いっぱい、時間が経つと少し小さくなります。空気と硝子体の境界面が網膜に投影されてできた円です。

 硝子体と空気の屈折率の違いから、眼内レンズの後ろに度の強い凸レンズを置いたようなかたちになります。ピントが合うのは眼前数センチで、足元はボケボケの状態です。虫メガネを通して見ているようで、針と糸があったら簡単に通せそうです。裁縫道具を持ってくりゃよかったですね。

 うつむくと丸い円になり、まっすぐ前を見ると黒い塊が下に沈みます。実際には眼球内の上部に空気が移動しているのですが、網膜上は天地逆の倒立像だから下に沈んだように見えるわけです。

 これが鬱陶しいのなんの。だんだん円が小さくなって無くなるまでに1週間ほどかかるそうです。先に手術した左目は、だいぶ小さくなりました。もう少しの辛抱です。
OK キャンセル 確認 その他