2008/02/16(土)集合写真 その7
写真撮影のスタッフを雇うときは、複写をさせればそのひとの技量を見抜くことができるといわれています。機材と道具一式を渡して、「このなかから好きに選んで撮りなさい」というやり方です。カメラとレンズ、フィルムはどれを選ぶのか、被写体を壁に貼るのか床に置くのかなど、被写体によって選択が異なります。道具のなかにある紐のついた手鏡などは、普通のひとなら何に使うのかすらもわかりません。
照明の組み方も複写の基本を知っていないとできません。写真電球を使ったほうがよいのか、大光量のストロボとアンブレラ(反射傘)がよいのか、被写体に応じて判断しなければなりません。素人には手に負えない領域です。
集合写真は、ある意味では複写と同じ性質を持っています。複写する対象が何十も集まっていて、前後に並べば厚みがあるので、かなり手強い被写体です。気軽に「集合写真お願いね」と頼むひとは、あまり深く考えていないか、それとも恐いもの知らずか、そのいずれかだと思います。
でも、頼まれたほうとしては、むげに断るわけにはいきません。仕方なしに、見よう見真似でチャレンジすることになります。一般のアマチュアにとって、一番高いハードルは、室内撮影での照明でしょう。大光量のストロボを持っているひとは少ないと思います。通常はISO感度を上げて光量を稼ぎますが、あまり上げると画質が落ちます。
いままでの「おさらい」で、人数をできるだけ少なくして、何回かに分けて撮るのが、アマチュアが集合写真を上手に撮る秘訣です。この方法なら、手持の道具で十分撮れます。
写真の原理を知らずにプロのやっていることを真似しても、よい結果は得られません。ドンキホーテにはならないでくださいね。