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2009年01月27日の記事

2009/01/27(火)写真館のレフ板

 (前回の続き)
 振袖の写真集を撮ったのが臨時雇いのアマチュアカメラマンだとしても、仕事を請け負った写真館や写真店には、写真の仕上りに責任があります。
 無理を言って駆り出した手前、相手のプライドを傷つけたくない気持ちはわかりますが、お金をもらう仕事に手抜きはいけません。

 写真館のライティングが、比較的ラフであることも影響しています。ライティングが、第一線のコマーシャルフォトほどはシビアでありません。
 全般的に写真館のライトの位置は、やや低めです。バンク(ライトボックス)の下端が顎よりも低いケースが多いですね。一部の光が顎の下から当たるので、アッパーライトぎみのライティングになることがあります。

 コマーシャル系の人物撮影(モデル撮り)は、かなり高い位置から照明します。「光は上方から」「影は下方へ」という原則が貫かれています。
 コマーシャルスタジオの天井高が高いのには、それなりの理由があります。写真館の天井高は、あまり高くありません。なかには3m以下のところも見受けられます。

 レフ板の高さも写真館は低めです。被写体の背丈よりも高ければいい・・程度の認識しかないところもあります。メインライトの位置が低いことも関係しているようです。
 レフ板の反射光が上から当たるためには、2.4m以上の高さが必要です。4×8(尺)のベニヤか、3×6(尺)なら1枚半分を使います。3×6の発砲スチロールを縦に1枚半つなげて、屏風仕立にしたレフ板が安あがりでお奨めです。発砲スチロールは、反射効率がよく、色の濁りもありません。

 写真館や写真店が、下からのレフ板に寛容なのは、証明写真の「顎レフ」が関係しているかもしれませんね。顎の下に出る影を消すために、膝のあたりにセットするレフ板です。
 正面1灯の照明なら有効な方法ですが、2灯以上できちんとライティングされたスタジオでは、無用のレフです。顎の下に出る影が、ヒゲに見えることはないからです。
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