2011/09/15(木)懐かしのEVF機

 デジカメで電子式ファインダー(EVF)を採用した機種に、ミノルタ DiMAGE 7 というのがありました。レンズは 135 換算で 28-200mm の固定式でした。レンズ交換はできません。2/3 インチ CCD 搭載で、発売当時(2001 年)としては高画素の 500 万画素でした。

 価格は 14 万円ほどしたと思います。もうすぐ出る α77 に近いお値段です。EVF は 22 万画素でした。最新式と1桁違います。それでもファインダー視野率 100% は実現していました。
 ファインダーを覗いた感じは、とても光学式には及びません。マニュアルでピントを合わせるのが辛いレベルです。後継機種 A1 では、デジタルマグニファイアーで、2倍と8倍に拡大表示できるように改良しています。

 光学式ファインダーではないので、ミラーを使った「一眼レフ」とは違います。それでも当時の扱いは「レンズ一体型一眼レフ」となっていました。「一眼レフスタイル」とか、「一眼レフタイプ」という表現を使っていたところもありましたが・・・

 同時代の競合機種には、CAMEDIA E-10、PowerShot Pro 90 IS、FinePix 6900Z があります。いずれも広角側が 35mm 相当で、28mm 相当からのズームは DiMAGE 7 だけでした。
 タムロンの 135SLR 用交換レンズ AF28-200mm は、F3.8-5.6 です。DiMAGE 7 に搭載のズームレンズは F2.8-3.5 と明るく、魅力的なスペックでした。

 それにも関わらず、レンズ一体型がデジイチの主流になれなかったのは、EVF の見え味が悪かったのも一因ですが、やはりレンズ交換ができないことだと思います。
 EVF の性能が飛躍的に向上しても、レンズ一体型が主流になることはないでしょうね。

2011/09/14(水)ミラーレス一眼の台頭

 一眼レフのミラーボックスからミラーがなくなったら・・なんてことを言いましたが、現にミラーレス一眼というのがあるから、こちらに収束していくだけのことです。
 ミラーボックスがカラッポの状態では、ただ図体が大きいだけで商品的な魅力はなくなります。ソニーの場合は、将来的には A マウントから E マウントにシフトしていくと思われます。

 一眼レフが登場したときは、レンジファインダーのほうが有利だと言われていました。ミラーボックスがあるぶん図体は大きくなるし、フランジバックが長いのはワイドレンズの設計に不利です。ピント合わせもレンジファインダーのほうが速くできました。
 それでも一眼レフが普及したのは、パララックスのない実写画面がファインダーで見られたからです。それまで難しかった複写やマクロ撮影、超望遠レンズを使った撮影ができるのは魅力的でした。

 デジタルカメラの時代になって、一眼レフでなくてもパララックスのない実写画面が見られるようになりました。レンズ交換ができるミラーレス一眼の台頭は、レンジファインダー機の巻き返しではないかと、個人的には思っています。光学式ファインダーは付いてませんが・・・

 11 月に発売されるソニーの NEX-7 は、有機 EL 採用の電子式ファインダー(EVF)を内蔵しています。マニュアルフォーカスでも使えそうな見え味というから、レンジファインダーみたいな構え方で撮影できます。
 動画も撮れるのは、デジタル時代のオマケですね。

 同じ APSC フォーマットのα77 と NEX-7 のどちらが売れるか、後者の詳細なスペックが不明なので予測がつきませんが、交換レンズが揃ってくれば、ミラーレスが有利かも?
 ツァイスあたりから E マウントの超広角レンズが出たら、飛びつく人がきっといるでしょうね。

2011/09/13(火)半透過ミラーの一眼レフ

 ソニーがα77 を発表したことで、一眼レフのファインダーが今後どうなるか、いろんな意見が飛び交っています。電子式ファインダー(EVF)ならトランスルーセントミラー(半透過式)は不要とか、普及機の光学式よりマシとか、評価は様々です。

 個人的に興味があるのは、固定式の半透過ミラーを採用したカメラは売れない・・というジンクスを破れるかどうかです。古くは、キヤノンのぺリックスや EOS RT がありました。当時はペリクルミラーと呼んでいましたが、画期的な割に主流にはなれませんでした。

 露光時の像喪失がないのと、ミラーショックがないのがペリクルミラーの特長です。あまり支持されなかったのは、光のロスがあることと、価格が割高だったのが要因だと思います。
 ぺリックス時代のファインダーは、今ほど明るくなかったし、フィルムに到達する光が 1/3EV ロスするのは致命的でした。標準レンズを F1.4 にするか F1.8 で我慢するかで迷っていた時代です。フィルム感度は ISO 100(当時は ASA 100) 程度でした。

 α77 に先行して半透過式ミラーを採用したα55/33 は、そこそこ売れたみたいです。動画の撮影中でも位相差 AF が機能するのと、秒間 10 コマの高速連写が評価されたようです。
 ソニーのトランスルーセントミラーもおそらく 1/3EV 程度のロスがあるはずですが、あまり問題視されないのは、デジカメが高感度に強くなったからでしょう。ISO 12800(拡張時 25600)という数字には、隔世の感があります。

 撮像センサー側のコントラスト AF が高速化されれば、半透過ミラーは不要になります。位相差センサーに光を送らなくて済むからです。
 ソニーの半透過ミラー式は、まだ「一眼レフ」と捉える向きがあるようですが、ミラーボックスからミラーがなっなっても一眼レフと呼ぶんでしょうか?
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