2009/02/19(木)フィルムをテレビで
原理はいたって簡単で、ビデオカメラとライトボックスを組み合わせたものでした。ネガも見られるように、ネガ・ポジ変換モードがついています。
ビデオカメラでネガ・ポジ変換できる機種もあったから、コピースタンドに取り付けてライトボックスの上にフィルムを置けば、代用することができました。
テレビモニターを使ってセレクトする方法は、子供写真館が早くから取り入れていました。それ専用のシステムが感材メーカーから発売されていました。価格は高かったですね。
街の写真館で、そこまでの設備投資をするのは荷が重かったようです。135サイズ専用のFOTOVIXを改造して、ブローニー対応にしていた店もありました。
原板のフィルムを使ってプレゼンするので、ギズの心配があります。135サイズと違ってブローニーは扱いにくいフィルムです。
テレビモニターで観賞するといっても、所詮はアナログです。ビデオ画像はNTSCだから、保存する必要があるときはビデオデッキを使います。2インチのフロッピーディスクに保存する方式もありましたが・・・
デジタルカメラの高性能化で、ビデオ画像を使ったシステムは一掃されます。テレビに代わってパソコンのモニターがプレゼンの主役になりました。
廃業した写真店から、シャッターとシンクロするビデオ画像装置をもらったことがあります。どこか使う店があったら売ってほしい・・との希望でしたが、買うところはありません。結局タダで引き取りました。
買ったときには何十万円かしたでしょうが、デジタル時代には無用の品です。
撮影用のVTRレンズは結構いいレンズでした。何かに利用できないか考えましたが、他に使い道がありません。防犯カメラにするには、画角が狭すぎます。スタジオ撮影用だから、ワイド側のないズームレンズです。
せっかくもらったのに使い道がなくて、知り合いの写真スタジオにあげました。きっとそこも使ってないでしょうね。
2009/02/18(水)写したその場で写真をセレクト
街の写真館は、ブローニー1本を(プルーフ仕上げといって)六切の印画紙にベタ焼き状にしたものを使っていました。フィルムで撮影する以上は、後日来店してもらうしか方法がありません。
なかには現像済のネガをフォトビデオ装置にかけて、テレビ画面で見せているところもありましたが、原板にキズがつきやすいのが難点でした。
子供写真館の多くはフィルムの時代でも、その場でプレゼンできる方法を採用していました。
フィルムを詰めたカメラとビデオカメラを連動させて、シャッターを押した瞬間のビデオ静止画を記録する方法です。カメラが違うから光軸はズレますが、シャッターチャンスは同じです。目つぶりなどのNGは確認できました。
子供写真館は、安い基本撮影料で客寄せして、プリントで稼ぐシステムになっています。鉄は熱いうちに打て・・じゃないけど、撮影直後のテンションが高いときに注文をとるのが、売上アップの秘訣です。
撮影時には、両親のほかに祖父母が一緒のケースがあります。ジジババは大事なスポンサーだから、その場でプレゼンしセレクトさせれば、焼増しが期待できます。
一旦家に帰ってから・・というやり方では、いまの子供写真館の売上はできないでしょうね。冷静になって考える余裕を与えれば、財布の紐は固くなります。
写真のデジタル化は、子供写真館にとっては追い風です。
フィルムで多ショットはコストが掛かりますが、デジタルなら掛かりません。実際にプリントするのと同じ画像をその場でプレゼンすることができます。
いまだにフィルムでの撮影にこだわっている写真館との格差は、ますます広がっています。
2009/02/17(火)写真のデジタル化で大儲け
DP兼業の写真館と違い、撮影業務専門のスタジオは、プリント設備を持っていません。現像・プリントはラボに外注していました。
写真のデジタル化で、フィルム代と現像料が要らなくなりました。年間数百組程度のスタジオでも、かなりのコストダウンになります。多ショット化で1組あたりブローニーを2~3本使っていたのなら、年間で100万円は違うでしょうね。
フィルム原板がデジタルデータに変われば、外注しなくても自家プリントが可能です。プリントを内製化すれば、そちらでもコストダウンすることができます。
写真スタジオのなかには、写真のデジタル化で大儲けしたところがあるそうです。自宅の駐車場に高級車がとまっていた・・なんて話を聞きました。繁盛しているスタジオにとって、デジタル写真は打出の小槌です。
ある全国チェーンの子供写真館は、フィルムからデジタルへの転換をほぼ終えたようです。ラボへの外注から自社工場での出力に切り替えました。出力設備は、いわば印刷工場に近い形態だそうです。
プリント需要をあてにしていたメーカーラボは、仕事を失ってしまいました。一時はフィルム現像とプリントで潤っていましたが、プリントすら取れない状況に追い込まれました。
こうしてみてみると、衰退しているのは銀塩写真で潤っていた業者ですね。銀塩式の現像設備を持たないところにとっては、デジタル化は追い風になりました。
このことは、一般家庭の写真にも当てはまります。いままで生産設備を持たなかった一般ユーザーでも、自宅で簡単にプリントを手にすることができるようになりました。一種の「産業革命」です。