2011/01/19(水)挙式組数は増えている?
その根拠は再婚です。離婚率の増加で再婚する組数が増えているそうです。なるほど・・・
ブライダル業界では、よく「一生に一度の・・」という言葉を使いますが、結婚式は一生に一度じゃないんですね。中には二度どころか三度や四度の人がいたりして・・・
以前は、再婚組の受け皿は、「写真だけの結婚式」を看板に揚げる写真館でした。各地域に1軒くらいは、こういう写真館があります。せめて写真だけでも・・という発想です。
最近では、少人数でも結婚式ができる施設が増えたこともあり、簡単な式を挙げる層が増加傾向にあります。大抵は写真撮影とセットになっていて、低料金で挙式と記念撮影ができるようになりました。
こうした「スマ婚(スマート婚)」や「地味婚」は、成長産業だそうです。既存の結婚式場やホテルが悪戦苦闘しているのを尻目に、新規参入する業者が後を絶たないと言います。
あるコンサルタント会社のブライダルセミナーでも、これからのキーワードは、インターネット通販のほかに、スマ婚と写真撮影だとブチ上げていました。
写真撮影がオハコの写真館は、こうした流れから置いていかれています。結婚式は専門の式場やホテルでやるものだ、という固定観念があるからでしょうか?
ミニチャペルと写真スタジオを併設し、市場にバンバン乗り込んでいるのは、よその業界の人たちです。新しい事業に参入するには、職人ではなく事業家の資質が必要のようです。
2011/01/18(火)タレントブランドのドレス
元々ヨーロッパで生まれたブランド品は、王侯貴族の間で贈り物をするときに、値段がはっきりわかるのが重宝されて定着したと言われています。貰ったときもお返しをするときにも、値段がわかったほうが便利です。
いまのブランド志向は、高級品を持つ喜びとは別に、商品に付加価値をつけたい業者の欲が介在しています。その典型がタレントブランドです。
その人がデザインしたわけではないし、実際にその道のプロでもないから、言ってみれば借名ブランドです。
ウェディングドレスでは、この手法が定着していました。「エビもえ」「ウノ」「カリナ」「ベッキー」「上戸綾」など、若いタレントやモデルの名前を冠したドレスが幅を利かせています。
当然のこととして、借名分のコストが掛かります。価格が高くなった分をレンタル価格に転嫁して、高く貸すことで採算を合わせることになります。
ところが、まかりなりにもブランド品である以上、その価格は他店との比較対照が容易です。同じエリアでの競合を避けるために、メーカーは「交通整理」をするのが普通です。
タレントの肖像権使用やエリアでの専売権を得るためには、何着かまとめて仕入れなければなりません。聞いた話では、あるブランドは1着 30 数万円のドレスを3着以上まとめて買わないといけないとか・・・
折からの少子高齢化の波を受けて、ブライダル市場は冬の時代を迎えています。ブランドドレスの仕入は、衣裳店の経営に重くのしかかっていました。そこへ大手メーカーの事業撤退です。
撤退したメーカーが出していたブランド品にプレミアが・・それはないでしょうね。
2011/01/17(月)ブライダル事業からの撤退
マスコミによれば「業界2位(?)のドレスメーカー」となっていたから、その筋では名の知れた会社です。
撤退の理由は、ブライダル産業の衰退で業績が悪化していたことです。価格競争と衣裳店の仕入意欲の低下で、ブライダル事業が重荷になっていたとか・・・
業界では、年末年始はこの話で持ちきりだったみたいです。
先日、業界関係者と会ったときにも、この話題が出ました。親会社は、かの有名な子供写真館の本部で、これからは子供ドレスに専念するそうです。上場企業だから、株主の圧力を無視するわけにいかなかったのでは?と言っていました。
3月で事業から撤退し、そちらを担当していた社員は全員解雇だそうです。気の毒な話です。
ドレスメーカーは、以前から廃業と新生を繰り返してきました。廃業した企業のメンバーが別の会社を興し、それまでの取引ルートを引継いで営業を続ける・・そういうケースが目立ちます。
関係者と話をしていると、「あの人は○○の出身」というのをよく耳にします。同じ業界の中を渡り歩くのは、どこも同じですね。
今回は、いまのところ事業を引継ぐ人は現われていないようです。タレントを使ってハデにやっていたから、引継ぐには、かなりの資金が必要です。
事情通は、「カリナの一人勝ち」みたいなことを言っていましたが、早々に撤退したところをみると、この世界で勝者はいないのかも?