2011/01/18(火)タレントブランドのドレス
元々ヨーロッパで生まれたブランド品は、王侯貴族の間で贈り物をするときに、値段がはっきりわかるのが重宝されて定着したと言われています。貰ったときもお返しをするときにも、値段がわかったほうが便利です。
いまのブランド志向は、高級品を持つ喜びとは別に、商品に付加価値をつけたい業者の欲が介在しています。その典型がタレントブランドです。
その人がデザインしたわけではないし、実際にその道のプロでもないから、言ってみれば借名ブランドです。
ウェディングドレスでは、この手法が定着していました。「エビもえ」「ウノ」「カリナ」「ベッキー」「上戸綾」など、若いタレントやモデルの名前を冠したドレスが幅を利かせています。
当然のこととして、借名分のコストが掛かります。価格が高くなった分をレンタル価格に転嫁して、高く貸すことで採算を合わせることになります。
ところが、まかりなりにもブランド品である以上、その価格は他店との比較対照が容易です。同じエリアでの競合を避けるために、メーカーは「交通整理」をするのが普通です。
タレントの肖像権使用やエリアでの専売権を得るためには、何着かまとめて仕入れなければなりません。聞いた話では、あるブランドは1着 30 数万円のドレスを3着以上まとめて買わないといけないとか・・・
折からの少子高齢化の波を受けて、ブライダル市場は冬の時代を迎えています。ブランドドレスの仕入は、衣裳店の経営に重くのしかかっていました。そこへ大手メーカーの事業撤退です。
撤退したメーカーが出していたブランド品にプレミアが・・それはないでしょうね。