2017/01/26(木)加工ニンニクの使い分け

 超人先生のところに持参したニンニクの加工品は、「琥珀にんにく」もどき、黒にんにくパウダー、アホエンオイルの3種類です。それぞれに特徴があって、使いみちが違います。最も簡単にできるのはアホエンオイルです。加工時間も短く、その日のうちにできあがります。

 まず生のニンニクをみじん切りにします。6片種なら100CC あたり鱗片2個くらいでいいでしょう。すぐにオイルにつけずに室温で2時間ほど寝かします。アリイン→アリシン→アホエンの変化を十分に進行させるためです。その後、エキストラバージンオイル(オリーブ油)を入れた容器を湯煎して温め、ニンニクを入れて撹拌します。アリインをアリシンに変える酵素は 80 度以上だと分解してしまうので、あまり熱くならないよう注意します。

 調べた範囲では、50 度で2時間湯煎するのが効果的だそうです。先生は「2時間も大変だなぁ」と言っていましたが、少し冷めたらまた火をつけてお湯を温めるやり方でいいと思います。アホエンは油に溶ける性質があるので、最終的に刻んだニンニクを取り除いてもオイルの中に溶け込んでいます。ただし、100 度以上の高温になるとアホエンは分解してしまうというから、火を使う料理には不向きです。

 「琥珀にんにく」は登録商標で、青森県の製法特許だそうです。自分で加工したものはあくまで「琥珀にんにく」もどきです。琥珀色のにんにく…という言い方なら構わないと思います。いま話題の「黒にんにく」になる前の段階で、黒にんにくみたいに甘酸っぱくないから広く料理に使えます。製法は内緒だとか…

 黒にんにく作りはかなり強い臭いが発生するので、実際にやれる家庭は限られますが、電子ジャーや電気釜の保温モードで簡単にできることは、かなり広く知られています。温度は 70 度強で2週間前後です。「琥珀にんにく」も2週間というから、それよりも低い温度で作られているみたいです。試しに 55 度がキープできる温蔵庫で作ってみました。

 下の写真は2週間後に取り出したサンプルです。温蔵庫の上段と下段で温度差があるせいか、右側のサンプルは琥珀色を通り越してメイラード反応がかなり進んでいます。実際には 50 度くらいが当たりなのかもしれませんね。
自家製の「琥珀にんにく」もどき

 色の濃いほうは温蔵庫に入れたままにして、何日かけたら黒にんにくになるのか実験することにしました。ところが、1ヵ月以上経っても甘味が足りません。湿度を 70% 以上に保つのが難しくて、かなり干からびてきました。やむを得ず電気釜の保温モードで加湿しながら追熟させましたが、プルーン状にはならず干しブドウくらいの硬さです。

 それをさらに乾燥させ、細かく砕いたのが超人先生のところに持って行った黒にんにくパウダーです。乾燥が早めに進んだせいか少し苦みがありますが、ふりかけ状にしたことで、ちょうどいい味になりました。先生は「うまい!」と唸ってました。めでたし、めでたし。
OK キャンセル 確認 その他