海外では売れ筋のネオ一眼が国内で人気がないのはなぜでしょうか?
前回は、欧米人との価値観や国民性の違いを指摘しましたが、違いはそれだけではなさそうです。メーカーの販売戦略も絡んでいるように思います。付加価値の高い一眼レフやミラーレス機が売れているのに、何もコンデジ並みの売価のネオ一眼を宣伝することはない、というのがメーカーの本音でしょう。ネオ一眼は通販ルートで売る程度でいい、といった扱いです。
カメラに限らず通販の光学製品は、どこか胡散臭いところがあって、マイナーなイメージがつきまといます。双眼鏡なんかはその典型例で、やたらと高倍率のものが目につきます。「三脚まで付いて・・」と謳っているけど、三脚なしでは使い物にならないようなシロモノです。(双眼鏡は倍率じゃないんだよね)
ネオ一眼もそれと同じような響きがあります。換算 24mm はいいとして、望遠側が 1000mm とか 1200mm とか言われると、ちょっと引いてしまいます。ズームの倍率を大きく謳うためには、望遠側を長くするしかないからでしょうが、使用頻度の高い広角側の画質が落ちては元も子もなくなります。
画質重視のネオ一眼を作るなら、高倍率のズーム比に拘らないほうがいいでしょう。それと撮像センサーがコンデジ並の 1/2.3 インチというのもいただけません。対象となる購買層はその辺をよくわかっているはずです。
鳥や飛行機を趣味にしている人からは、超望遠が魅力との声も聞かれます。フィルム時代の 135SLR だと、飛行機は望遠側が 300mm 程度、鳥は 600mm 程度としたものです。それより長いとかえって使い辛いという話をマニアの連中からよく聞かされました。こちらはそういう趣味はないから、そんなもんかなといった認識ですが・・・
デジタル時代になって撮り方が変わったのか、趣味で写真を撮る層が広がったのか、さらに超望遠を求める傾向があるようです。フォーマットサイズが小さくなったぶん、望遠側の焦点距離が稼ぎやすくなったことも関係ありそうです。
ネオ一眼の連射速度は、秒間 10 コマ前後と高速です。趣味の写真を撮るのに、APSC やフルサイズの一眼レフより有利な点もあります。ズーム比など数字上のスペックよりも画質を優先した設計にすれば、国内でもっと売れそうな気がしますが、たぶんそういう方向には行かないと思います。