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2012年10月06日の記事

2012/10/06(土)スマホはカメラの拡販に貢献するか?

 スマートフォンの急速な普及で、コンパクト型デジタルカメラの売れ行きが落ちている反面、スマホの普及が写真人口を拡大し、カメラ全体の拡販を後押しするとの見方もあります。
 望む望まないに係わらず、スマホにはそこそこ写るカメラが内蔵されています。あれば使う、使えば写真に馴染む、もっとよく写る専用のカメラが欲しくなる、という構図です。

 これによく似た話は、携帯電話にカメラ機能が搭載されたころにも聞きました。カメラがまだ普及していない発展途上国では、ケータイのカメラが先に普及するだろうとの予測です。このときは、ケータイのカメラ機能が広まることで、専用カメラの普及が阻害されるような話だったと思います。
 実際には、カメラ機能を重視したガラケーが普及したのは日本国内の話で、途上国では携帯電話は普及率の低い家庭電話の穴を埋める役割を担いました。まずは本来の電話機能が先行したわけです。電話回線が行き届いていない地域でもケータイは通話が可能です。

 昔、こんな話を聞いたことがあります。写真店を利用する客はピラミッドの中腹から上の階層なんだそうです。写真で思い出を残す価値のある家庭や生活がある人しか利用しないからだとか・・・
 言われてみれば、明日の生活に追われる人には、お金のかかる写真は贅沢なものであり、記念に残すゆとりはないのかもしれません。フィルム時代には、写真代はちょっとした出費でした。
 発展途上国では、カメラ機能よりも電話機能のほうが実用的で魅力的だったようです。写真を楽しむゆとりが出てくるのは、次の段階です。

 スマホの普及で、写真に馴染む機会が増えたことは事実でしょう。「写ルンです」などの使い切りカメラは、意図的に購入する必要がありますが、スマホには初めからカメラ機能が備わっています。しかも撮影すること自体にはお金は掛かりません。気軽に撮影できます。
 写真に撮ってメールで送る、お気に入りのカットはプリントする・・・こうして写真に馴染む機会が増えれば、その中の何人かはもっとよく写る専用のカメラを買うかもしれません。そして、そのうちの何人かがレンズ交換式のミラーレス機や一眼レフに移行すれば・・・

 そんな期待を抱く業界関係者もいるようです。風が吹けば桶屋が儲かる例えよりは、ストレートでわかりやすいけど、果たしてどうでしょうか?
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