2012/07/08(日)家電品になったコンデジ
「酸化セリウム」の先生にその話をすると、「いまやカメラと言っても家電製品だからなぁ」との感想が返ってきます。きっと先生もずーっと考えてるんですね。
フィルム時代のほうが個性的で面白いカメラがあったように思います。一眼レフもコンパクトカメラも 135 フルサイズが主流でしたが、決められたフォーマットサイズの中で、いろんなアイデアを競っていました。
同じカメラでも詰めるフィルムの種類によって写りが変わります。そういう多様性は、デジタルになって希薄になりました。ベルビアモードやアスティアモードがあるとかいうのとは、ちょっと違います。
いちばん残念なのは、フォーマットサイズが 135 フルサイズの呪縛から解き放たれたのに、判で押したように同じ機能・性能のカメラが乱立していることです。設計の自由よりも、コストダウンに利用されてしまったみたいです。
フィルムの APS(IX240)が導入されたときに、各社から発表されたコンパクトタイプの普及機が、同じ型の使い回しだったのを思い出しました。富士もニコンも同じ筐体で名前を変えただけの機種がありました。大手下請けメーカーの OEM でしょう。消費者を甘く見たやり方です。
そんな中で、キヤノンは独自のコンセプトを打ち出しました。後に「APS はキヤノンのひとり勝ち」と言われた IXY です。フィルムカートリッジの関係で厚みはありましたが、小さな筐体は現在のコンデジの原型となりました。
コンデジの売り場を見渡しても似たり寄ったりの機種が並んでいるだけで、IXY を超えるような特徴のある製品は見当たりません。強いて言えば、売り場は違うけどスマートフォンですか・・・