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2012年07月09日の記事

2012/07/09(月)デジタル家電とカメラ

 フィルム時代のカメラとデジカメとの違いのひとつに、製造プロセスがあります。フィルム式は、自社生産比率が高く付加価値のある商材でした。一方、デジカメは電子部品の寄せ集めです。撮像センサーをはじめ、主要部品を外部から調達しているメーカーには、旨味のないものになりました。

 この傾向はパソコンですでに経験済みでした。部品を集めてきて組み立てれば、個人でも簡単に作れます。いわゆる自作機です。それを企業規模でやったのが、台湾などアジア圏のベンダーでした。
 米 PC 界の巨人 IBM もパソコン部門を海外企業に売却しました。価格競争の中で付加価値が取れなくなったからでしょう。早い話が撤退です。いまこのブログは、その IBM を買収した企業の激安ノートで書いています。

 パネル型テレビも同じ運命をたどりました。部品を集めて組み立てるだけの商品です。製造コストの安い韓国勢に市場を奪われ、家電各社は赤字に転落しました。
 いくつもの前例がありながら、なぜ回避できなかったのでしょう。テレビが家電の顔だという呪縛から、逃れられなかったのかもしれませんね。背に腹はかえられないところまで行かないと、意識は変えられなかったということですか。

 デジカメは、発売されてしばらくすると、売価が大幅に落ちるのを繰り返しています。もちろんフィルム時代でもその傾向はありましたが、変動の幅も速度も緩やかでした。半年経つか経たないかのうちに、半額以下になるなんてことはありませんでした。こんなことを繰り返していて大丈夫かと、他人事ながら心配になります。

 そういえば以前、顔見知りのオリンパスの人が言ってました。「我々が売っているのはカメラじゃない。生鮮食品だ」・・・生鮮食品じゃ、しょうがないかもしれませんね。
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