2012/07/11(水)写真展と表現の自由
写真展で一番大事なことは、作者が展示したい写真がそこに展示されていることです。それが、事前になんの相談もなく、一方的に撤去されてしまいました。
「事件」が起きたのは、高校時代の写真部の写真展でした。友人と二人で出した組写真です。このうち友人の写真が1枚、「政治的」という理由で撤去されてしまいました。
写真にクレームをつけたのは、すでに卒業した先輩です。その場にいた部員に指示して撤去させたそうです。その話を聞きつけて、授業が終わるとすぐに会場へ駆けつけました。高校の写真部にしては一丁前に、県立美術館の一室です。
確かにエピローグの写真が撤去されていました。どこに片付けたか聞いて戻そうとしたら、当番の部員が先輩の許可を取らないとダメだと言います。在校生ならまだしも、卒業した OB に何の権限があるんだ!と、大もめしているところへ、その先輩がひょっこり現れました。日ごろ見かけたことのない顔です。
一応挨拶を切ってから、写真を勝手に撤去したことに強く抗議しました。理路整然滔々と語る姿に圧倒されたのか、初めは先輩面して偉ぶっていたのが、次第にトーンダウンです。
言い争ったのは、写真の内容ではなく、表現の自由です。あなたには私達の表現の自由を奪う権利はない、という点でした。最後は折れて、勝手に撤去した非を認めました。
この OB は、貴重な教訓を残してくれました。もし卒業した後に後輩に接する機会があったら、けっして偉そうに先輩風を吹かせてはいけない、ということです。いい反面教師でした。