写真を焼く引伸機にはフィルターポケットが付いている機種があります。カラープリントのときに補正フィルターを入れるためです。
FUJIFILM の PG フィルターは、ゴシチ(5x7 インチ)サイズでも低価格ですが、撮影用には使いません。厚味があるのと平面性が保証されていないからです。
PG フィルターは、YMC の3色相で 2.5/5/10/20/30/40/50/100(%)の各8種類あります。紫外線カットの UV を加えた計 25 枚のセット品も出ています。
色と濃度の精度は、撮影用の CC フィルターと同じです。値段が安いので、ストロボの前に付けるときには、こちらが経済的です。
RGB が必要な場合は、2枚重ねて使います。Y+M で R になります。Y+C で G、M+C で B でしたね。レンズの前に付けるのと違って、何枚重ねても画質に影響することはありません。濃度が増すだけです。
初期のミニラボ機には、補正フィルターを入れる方式のものがありました。フィルムの種類によって、オレンジベースの色調が違うためです。
光源に入れるなら PG フィルターでよいのですが、レンズと印画紙の間に入れる場合は、撮影用の CC フィルターでないと画質が低下します。
昔、プリントの仕上りが甘いと悩んでいる写真店がありました。補正フィルターは、普通 Y と M を2枚重ねて使います。そのぶん画像が甘くなります。頻繁に抜き差しするから、傷やホコリがつきやすいのも関係します。
ラボの仕上りと比べて、かなり甘いと言っていたから、ひょっとすると、引伸機用のフィルターを使っていたのかもしれませんね。
モノクロ印画紙の号数を変える VG フィルターにも、レンズの前に付けるタイプと、ランプハウスのフィルターポケットに入れるタイプがあります。光源用を切ってレンズの先に使うのは、やめておいたほうがいいでしょう。