2011/09/12(月)電子式ファインダーは本命か?

 ソニーの新製品 α77 が発表されたことで、一眼レフのファインダーが電子式(EVF)に変わっていくのでは?との憶測が広まっています。半透過式ミラーと有機 EL の EVF との組み合わせは、果して主流になるのでしょうか?

 主要都市のソニー拠点で実機を見ることができるそうです。すでに見た人のレポートでは、光学式ファインダーと遜色ない見え味だったとか・・・
 EVF ならわざわざハーフミラーにしなくても画像を表示することは可能です。ハーフミラーで光を送っているのは、露光中でもオートフォーカス機能を働かせるためのようです。

 スチール写真よりも動画を撮影するときに有利な機構です。フルハイビジョンで秒間 60 コマというから、デジイチというより、もうムービーカメラですね。映画用の 24 コマにも対応しています。
 オマケ(?)として、秒間 12 コマのスチール連写ができます。固定ミラーだからできる芸当でしょう。シャッター速度を速めにするため、F3.5 か開放値に固定されるみたいですが、いまのところトップクラスのスペックです。

 先月話題にした視野率 100% も踏襲しています。光学式では至難の技ですが、EVF なら低コストで実現できます。先行発売のα55 で実現しています。
 個人的には、電子式ビューファインダーにはあまり魅力は感じません。動画機能はどうでもいいからです。スチール写真は、やはりきちんとした光学式ファインダー(OVF)でないと・・・

 べつにα77 を悪く言うつもりはありません。誰かのセリフじゃないけど、金魚がドジョウの真似をしてもしょうがないと思います。(あれは逆か)
 α77 はソニーらしいカメラだと思います。気になるのは、ドジョウ(じゃなかった、絶滅危惧種オオサンショウウオ)のα900 がいつ中止になるかです。個人的には、同じ価格帯ならこちらを選ぶでしょうね。

2011/09/11(日)引伸機のフィルター

 写真を焼く引伸機にはフィルターポケットが付いている機種があります。カラープリントのときに補正フィルターを入れるためです。
 FUJIFILM の PG フィルターは、ゴシチ(5x7 インチ)サイズでも低価格ですが、撮影用には使いません。厚味があるのと平面性が保証されていないからです。

 PG フィルターは、YMC の3色相で 2.5/5/10/20/30/40/50/100(%)の各8種類あります。紫外線カットの UV を加えた計 25 枚のセット品も出ています。
 色と濃度の精度は、撮影用の CC フィルターと同じです。値段が安いので、ストロボの前に付けるときには、こちらが経済的です。

 RGB が必要な場合は、2枚重ねて使います。Y+M で R になります。Y+C で G、M+C で B でしたね。レンズの前に付けるのと違って、何枚重ねても画質に影響することはありません。濃度が増すだけです。

 初期のミニラボ機には、補正フィルターを入れる方式のものがありました。フィルムの種類によって、オレンジベースの色調が違うためです。
 光源に入れるなら PG フィルターでよいのですが、レンズと印画紙の間に入れる場合は、撮影用の CC フィルターでないと画質が低下します。

 昔、プリントの仕上りが甘いと悩んでいる写真店がありました。補正フィルターは、普通 Y と M を2枚重ねて使います。そのぶん画像が甘くなります。頻繁に抜き差しするから、傷やホコリがつきやすいのも関係します。
 ラボの仕上りと比べて、かなり甘いと言っていたから、ひょっとすると、引伸機用のフィルターを使っていたのかもしれませんね。

 モノクロ印画紙の号数を変える VG フィルターにも、レンズの前に付けるタイプと、ランプハウスのフィルターポケットに入れるタイプがあります。光源用を切ってレンズの先に使うのは、やめておいたほうがいいでしょう。

2011/09/10(土)ゼラチンフィルター

 撮影用のフィルターは、一般的には丸いリング状のガラス製が主流です。レンズの前にネジこんで使います。傷がつきにくく手軽な反面、フィルター径が異なるレンズと共用できないのが難点です。

 角型のスクエアフィルターは、アダプターリングを取り替えれば、口径の違うレンズでも共用できます。グラデーションフィルターは、透明部分の位置が変えられるので、スクエアタイプが便利です。

 このほかにペラペラのゼラチンフィルターがあります。75mm 角と 100mm 角がありますが、値段がずいぶん違うので、普通は 75mm 角のほうを使います。どちらかというとプロ向きで、アマチュアが使うことはほとんどないようです。
 名前の由来は、コダックのフィルターがゼラチン膜を使っていることです。フジフイルムのはトリアセテート製ですが、これも「ゼラチン」と呼ぶ人が多いですね。

 元祖のコダックが「ラッテンナンバー」を使っていたので、ラッテンフィルターという人もいます。No.81B とか No.82C という記号です。色温度変換フィルターの場合は、アンバー系が 81/85 系列、ブルー系が 80/82 系列です。
 「酸化セリウム」の先生は、ラッテンナンバーで言うことが多いですね。部厚いフィルターケースの中に、75mm 角のゼラチンフィルターを一揃えストックし、大事そうに扱っていました。

 ゼラチンフィルターはフィルムと一緒で、素手で触ると指紋が付着します。傷がつきやすく消耗品です。トリアセテート製は、指紋が付いたり汚れたりしたときには、水洗いできます。傷がついたら使えなくなるのは同じですが・・・

 昔のカラーメーターは、ラッテンナンバーの換算表がついていました。最近のカラーメーターは、得たい色温度を設定しておくと、ラッテンナンバー/ LB 値/ CC 値を表示してくれます。便利になりましたね。
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