2011/12/04(日)LEDを使った照明装置
青色 LED が発明されたことで、それまであった赤色・緑色と組み合わせて、白色が実現できたと言われています。光の三原色が揃ったわけです。
各色のダイオードの明るさを変えたり、オンオフの組合せを変えたりすることで、ある程度は自由に色を演出できるようになりました。
電飾看板などは、この原理を利用していますが、電球に代わる照明器具には、青色 LED だけが使われています。3色の LED を組み合わせるのはコスト高になるのと、色が安定しないからだと言われています。
波長の一番短い青色 LED と蛍光体を組み合わせて白色を作ります。蛍光体は波長を長くすることはできても短くすることはできないので、青色 LED がなければ白色が作れないのは、ここでも同じです。
写真撮影用の LED 照明器具には、3色の LED を使ったものと、青色 LED だけを使ったものがあります。
スタジオ用は色温度が一定でもよいので、青色 LED だけのものが主流です。大型の照明装置は、まずこのタイプで、5600 ケルビンに固定されています。
小物の撮影に使う小型の照明装置は、低価格のものは青色 LED のみのタイプです。太陽光を電灯光に切り替えるための色温度変換フィルターが、付属品の中にあったらまずこのタイプです。
3色 LED を使ったタイプは、フィルターなしで色温度が変えられるのが特徴です。値段が高いのと、各 LED の波長帯域が狭いため色のコントロールが難しいのが難点です。
ストロボに取って代わるのは、まだ先のようですね。
2011/12/03(土)ストロボの色温度
スタジオ撮影で使うモノブロック型のストロボの中には、光量を落とすと色温度が下がるものがあります。電圧を変えて調光するタイプです。以前、あるメーカーの人に質問したら、変化は数百ケルビンとか言ってました。
色温度が数百ケルビン下がる程度では、電灯光との色温度差はまだ2千ケルビンほどあります。ストロボ光の色温度が自由に変えられるといいのですが、クセノン閃光管を使っているうちは難しいでしょう。ストロボの前に LB フィルターを貼り付ける技法は、まだ「現役」のようですね。
ストロボ光だけで撮影する場合は、数百ケルビン下がると発色に影響します。カメラ側で色温度の設定を変えるにしても、多灯で撮影するときは、なるべく同じ色温度で揃えるよう注意が必要です。
電圧制御でなくコンデンサー(容量)制御のものは、色温度の変化はほとんどないようです。その代わり製品価格は高めです。
業務用途のストロボは、パラソルやソフトボックスなど周辺パーツと併用するので、発光部自体の色温度よりも実質的に低めになります。LB フィルターで補正するか、デジタルカメラなら色温度の設定を変えて調節します。
それでも「5000 ケルビン以上は欲しい」との声をよく耳にします。微妙な色の濁りやズレが生じるからでしょう。
アマチュア用の外付けストロボは、一般的に色温度がやや高めです。しかも使用条件によってかなり変化します。スナップ撮影を前提にしているせいか、あまりシビアではないようです。
2011/12/02(金)内蔵ストロボはなくなる?
カメラに内蔵のストロボは、補助光として使われる程度でしょう。その際に問題になるのが、室内照明とストロボの色温度差です。ストロボは太陽光とほぼ同じ色温度です。ストロボ光の届く被写体と背景の色温度に違いが生じます。
フィルム時代はそれでよかった・・というか、デーライトタイプなので仕方なかったのですが、ホワイトバランスが変えられるデジカメは、紛れが生じます。
最近の高感度対応のカメラの中には、内蔵ストロボを省略した機種もあります。必要なら外付けのストロボを使ってちょうだい・・というスタンスです。ソニーの NEX シリーズなんかがそうですね。
内蔵ストロボをなくせば、そのぶん小型化できるし、消費電力も抑えられます。コンデンサーの充電時間が関係なくなれば高速連写が可能です。
いくら高感度対応になっても「闇夜のカラス」は写らないから、内臓ストロボがすべてなくなることはないでしょうが、外付け式が増えるのは間違いないと思います。
外付けのストロボをオンにしたときは色温度はストロボ光に合わせ、オフにしたときは AWB にするのが合理的です。カメラの自動モードはそうなっているはずです。
ストロボ光メインのコマと、ストロボなしのコマを同時に撮って、色温度を合わせてから合成すれば、背景との色温度差をなくせますが・・・
絞りを変えると被写界深度が変わるし、感度を落とすとストロボ光の到達距離が制限されるから、シャッター速度でコントロールするしかないでしょう。