2019/07/22(月)緊急時の電源をどうするか?

 NTT の固定電話は、ダイヤル式電話器があれば停電時でも通話できます。FAX やボタン式電話機でも電源さえ確保すれば使えます。短期間の使用なら、パソコン用の無停電電源装置を流用してもいいでしょう。

 日ごろ AC 電源から充電しておいて、停電した時は充電式バッテリーで駆動するやり方です。いまどきの電源装置は USB 給電もできるから、スマホやケータイの充電もできます。パソコンがノート PC で緊急用電源が必要なければ、中古のダイヤル式電話器のほうが安く済むかもしれません。どちらがいいかは個別事情によります。

 電話がつながり、スマホやタブレット・ノート PC が使えれば、災害などで停電してもライフラインは確保できます。ただし、昨今の災害をみると、復旧するまでにずいぶん時間が掛かる場合が多いのがわかります。2~3日しのげればいいというわけではなさそうです。そうなると自家発電するシステムが必要になります。

 停電時に給電したい家電品のトップは冷凍冷蔵庫だそうです。食料品が詰まってるからね。短時間で復旧すればいいけど、夏場に1~2日停まるとアウトです。最近の冷蔵庫は定格電力だけみると省電力化されていますが、起動電力が大きいのでかなり大きな発電機でないと動きません。モーターやコンプレッサーで動く家電は皆そうです。

 真っ先に思いつくのは燃料で動く自家発電機です。家庭用はガソリンやガスボンベを使うタイプが主流です。ガソリンは車の燃料タンクにあるし、ガスボンベは長期保存が利くのでストックしておいても劣化しません。難点は騒音が大きいことと、稼働時間が数時間と短いことです。冷蔵庫のように 24 時間連続運転の家電は燃料のお守が大変です。

 緊急時にしか使わないから、いざ停電となったときに車の燃料タンクが空だったり、動かしてみたら爆音で深夜まで稼働させるのが憚られたり、何かと問題を抱えた装置です。離れた畑で使うなど日ごろから馴染んでいればまだいいけどね。予算的には数万~十数万円といったところ。

 購入費は抑えられても日ごろ利用しないのでは宝の持ち腐れになりそうです。その点、太陽光発電はインバーターと蓄電装置があれば日ごろから使うことができます。日常生活に使えて、いざというときは非常用にもなるのが利点です。問題なのは、大出力のシステムは百万円単位の設備投資になることです。電力会社に売電して元手を回収することは可能ですが、初期費用がかさみます。

 電力会社に売電せずに自家消費する目的でソーラーパネルを設置する家庭が増えているそうです。蓄電池を利用して、発電しない夜間でも使えるようにするシステムが主流です。小電力でよければ数万円でキットが売られています。自家発電で電気代を抑えるというよりは、日ごろ使いながら緊急時に備える、といったスタンスです。

 これに挑戦してみようと思いたち、いろいろ調べてみましたが、実用化するにはいくつかハードルがありそうです。まず何をやりたいのか? 話はそれからですね。

2019/07/21(日)固定電話を光電話にすると得?

 利用する回線の種類によって電話の料金体系が変わります。昔は電電公社の固定電話しかなかったから迷うことはありませんでした。新規に電話を引くときに電信電話債券を購入しないといけなかったアレです。現在は「電話加入権」というのに変わっていて、費用は半分程度になりました。

 NTT 東西の固定電話以外の回線であれば、電話加入権は不要です。NTT でも「ひかり電話」なら加入権は要りません。ただし光インターネットの契約が必要です。フレッツ光にしたときに固定電話を光電話に替えるケースが多いようです。光電話にすれば基本料金や通話料金が安くなります。しかも電話番号はそのまま使えます。

 いいことづくめのような光電話ですが、デメリットもあります。停電になると使えないことです。従来の NTT の固定回線でも FAX やプッシュ式電話機など AC 電源が必要な機器は、停電すると使えないのは同じです。ただし、ダイヤル式の電話器は停電時でもつながります。相手先の状況にもよりますが、向こうもダイヤル式なら停電中でも話ができるはずです。

 停電時に光電話が使えないのは、ひかり電話ホームゲートウェイ (HGW) が家庭用 AC 電源で動いているからです。この HGW に自前で給電できれば通話可能です。いわゆる無停電電源装置です。NTT の基地局は停電時のバックアップ電源が備えてあるので、自宅の HGW と電話機に給電できれば光電話でも通話できそうです。

 通信はライフラインというのが持論です。一時、インターネット回線と IP 電話をセットにして「こんなにお得!」なんて勧誘してた代理店がありました。050 から始まる IP 電話です。「この電話は停電でも使えますか?」「110 番や 119 番につながりますか?」と質問すると、嫌な顔をされたものです。あのクソの IP 電話の基本料金が「ひかり」と同じ 500 円だなんて、詐欺だわ!

 「ひかり電話」は 110 番も 119 番もできます。固定電話回線と通り道が違うだけです。固定電話回線も光収容が進んでいます。それに伴って光サービスエリア内の ADSL は 2023 年1月末で終了となります。ネット回線を光に変更する人は固定電話も光電話にするんですかね。

 我が家のネット回線はケーブルテレビ会社のメタル回線です。ここでも光収容が進んでいて、しつこく光回線への変更を言ってきます。タダで工事はいいけど、月々の料金体系が変わります。「光にするなら別の回線にする」と言うと黙って引き下がります。この辺りも NURO 光のエリアになったしね。

 てなことで、わが家の固定電話回線は、当面はアナログのままです。モバイル通信の 5G がスタートしたら、光ネット回線の内容が料金体系も含めて変わるかもしれません。慌てて得することはなさそうです。

2019/07/16(火)4G の音声通話 VoLTE とは?

 前回、手持のスマホは 3G と 4G に対応しているから 3G が停止されても通話できると書きましたが、果たしてそうでしょうか? スマホ本体とフリー通話 SIM が VoLTE に対応していなければ 4G での通話はできません。

 4G の音声通話 VoLTE(ボルテ)は 4G 回線を使った通話です。LTE は厳密には 3G と 4G の間の規格で 3.9G だそうですが、四捨五入(?)で LTE=4G と一括りにしています。手元の ASUS Zenfone4 Max は、au と Y'mobile の VoLTE には対応しているものの、ドコモの VoLTE には非対応みたいです。ドコモ回線で VoLTE を使うには Zenfone5 以降の機種でないと対応していないようです。

 つまり、3G 回線が使えなくなったときに、手持のスマホでは音声通話に制限が生じることになります。ちょっと前までは DSDS(デュアルシム・デュアルスタンバイ)がトレンドでしたが、いまは DSDV(デュアルシム・デュアル VoLTE)でないと最先端ではなくなっています。4G を使った通信は、4G 音声通話とネット通信が同時進行で使えるのがトレンドになりました。

 VoLTE は高速通信・高音質がウリです。ただし、同じ通信網で対応機種同士での通話でないと実現しません。つまり、手元のスマホが VoLTE 対応機種でも相手がガラケーだったり、ローカルな天狗山の頂上にいたりした場合は、自動的に 3G 回線での通話になってしまいます。それと異なるキャリア(通信網)間では VoLTE での通話はできません。かなり限られた条件での通話となります。

 こんな状態で 3G 回線を廃止してしまって大丈夫なんでしょうか? 現在 3G の廃止予定日を発表しているのは au だけです。au の 3G は CDMA2000 で、ドコモや Softbank の W-CDMA とは規格が異なります。早く次世代の 5G へ移行したいのはわかりますが、異なるキャリアとの通話を担保できるのか、一抹の不安がないでもありません。

 一旦 VoLTE で通話しようとしても、相手が同じフィールドに居なければ自動的に 3G 回線に落とされます。では 3G が廃止されてしまったら、どうなるんでしょう。5G がスタートするときには、おそらくこの辺の問題はクリアされているとは思いますが、ほとんどアナウンスがないのがもどかしいところです。

 スマホの更新時期は 5G スタートから2~3年後と予想しましたが、実際にはもう少し早くなるかもしれません。ドコモと SoftBank がどうするか次第です。3G 回線の廃止は各社の事情によるでしょうが、国際的な問題もあります。日本に来たら 3G 通信ができないでは、観光立国どころじゃないでしょう。いまは動静を見守るしかないのかもね。
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