2019/06/21(金)古い不動産の名義変更は大変

 亡くなった方の名義のままになっている不動産は、思っていたより多いみたいで、所有者不明の土地を全部足すと九州くらいになるんだとか。わが家も危うくそうなるところでした。以前住んでた分譲マンションの共有地は全部で4筆あるのですが、そのうちの3筆が亡くなった義父の名義のままになっていました。

 家内が相続したときに漏れがあったようです。相続当時に遡って訂正しないと、私が相続できません。普通は当時の相続人全員の承諾を得る必要がありますが、たまたま家内が一人っ子で、他に相続人がいなかったので、私と子供たちだけで申請することができました。

 法務局の手続きには戸籍のほかに住民票が必要です。ところが義父の除票が入手できませんでした。何十年も前に亡くなっているから、もう役所に残ってないんだそうです。戸籍と違って住民票の除票は比較的短期間(短いところだと数年)で廃棄されてしまいます。

 それがないと義父本人だという証明ができません。世の中には同姓同名の人もいるしね。そういう場合は、相続人全員が署名押印した「上申書」を提出して、法務局に認めてもらう必要があります。役所に代わって相続人全員が義父本人に間違いないことを上申するわけです。今回はこのやり方で無事に手続を終えることができました。

 不動産の名義変更が放置されたままのケースは身近にもあって、母親の実家がモロそうでした。名義人の祖父が亡くなったのは 50 年以上も前のことです。お祖母さんの名義にしようとしましたが、土地建物以外に財産がなく、先妻の子供たちとの遺産分割協議がうまくいかなかったようです。お祖母さんが亡くなった時も同様で、そのまま放置されてしまいました。

 親子の相続関係は、孫・ひ孫・玄孫と未来永劫に続きます。このまま放置しておくと、法律が変わらない限り収拾がつかなくなります。いまは独身の伯母さんが一人で住んでいて、まだ元気なうちにケリをつけるよう、何度か進言しておきました。本人もその気になったのですが… 

 遺産分割協議のやり方を間違えたために、不成立の結果となりました。(その経緯は次回に)

2019/06/16(日)古い不動産の購入価格を調べる

 以前住んでたマンションは築 50 年以上の築古物件です。家内が父親から相続し、昨年、私が相続しました。売却に伴い譲渡所得税の問題が発生します。5年以上所有する不動産だと住民税と復興特別所得税を合わせて 20.315% 掛かります。5年未満だと課税率は 39.63% です。相続の場合は被相続人が所有してからの期間なので、遡って 50 年以上所有していたことになります。

 5年未満じゃなくて助かったと思うのはぬか喜びです。課税所得は、売却価格から不動産屋の媒介手数料などの諸経費を引き、さらに不動産の取得にかかった費用を差し引いた金額です。家屋の部分は減価償却後の金額ですが、土地の部分はそのまま差し引けます。ただし、それを証明する資料があればの話です。

 ウチの場合は、断捨離だか何だか知らないけど、家中どこを探しても義父が購入した時の書類が見つかりませんでした。家内が相続したときの権利書は残っていますが、そこに書かれている金額はまったく無意味です。その金額を払って取得したわけではないからです。

 先祖伝来の土地など、貨幣価値が全く異なる時代の物件や購入価格が不明な場合は、売却価格の5%を仕入価格とみなして差し引くことができます。古い土地ならそのほうが有利ですが、新しい土地ではかなり不利です。昭和 27 年あたりが境目になるみたいです。義父が購入したのは昭和 41 年だから、5%しか引けないのでは大損です。

 自分の土地でなくても近隣でそのころ売買された資料が入手できれば、それが仕入原価の根拠になります。マンションの場合は、購入時のパンフレットや同じ住宅内での売買実績を調べることで、疑似的に購入価格を想定することが可能です。不動産の売買に詳しい税理士だと、そのあたりに精通していそうな気がしますが…

 先日、銀行系不動産会社で売買契約を済ませたあと、担当者から関連資料が入った紙袋を渡されました。かなり重たい資料です。家に帰って中身を見てみると、住宅全体の共有部分の全事項証明書でした。200 戸以上の共有地だから全部となるとその量はハンパじゃありません。A4 サイズの書類の束で、厚さは 6cm 以上あります。

 3万㎡以上ある敷地は4筆に分かれています。家内が義父から相続した時に登記漏れがあって、それを直すのに往生した話を担当者には伝えてあります。この不動産会社は同じ住宅の物件を何件か取り扱った実績があったので、媒介した物件に登記漏れがあっては大変と、すぐに遡って調べたそうです。分厚い資料の束を持ってました。これですね。

 登記事務がコンピュータ化されたのは、昭和 63 年の法改正以降です。古い記録は省略されているみたいですが、20 年以上の長期住宅ローンを組んでいたら電子取得した資料にも引き継がれているはずです。古い帳簿からその人の謄本が入手できれば、購入時価格を証明する資料に使えるかもしれません。

 暇を見てこの分厚い資料をチェックしてみたいと思います。低価格の築古物件だったから媒介手数料は知れてるのに、親身にしてくれて、ありがとね。(と、担当者に感謝)

2019/06/09(日)昔住んでたマンションが売れた

 今の住居に引っ越す前に住んでたマンションを売りに出してましたが、買い手が現れ、めでたく売れることになりました。銀行系不動産会社の仲介です。ゴールデンウィーク前に専任媒介契約して、1カ月半ほどで決まりました。思ったより早かったですね。

 この不動産会社とは短期の契約にして、売れなかったら次はリフォーム系(というかリノベ系)の不動産屋に乗り換える予定でした。次の不動産屋には「結果は必ず連絡する」と伝えてあります。正式に契約書を交わしたら連絡してやらないといけません。さぞかし残念がるでしょう。

 売却することに決めてから、不動産一括見積サイト経由で見積をとることにしました。最初のサイトは6社表示されたうちの3社だけに依頼しました。いきなりわんわん連絡が来ても混乱するだけです。意外にもうるさく言ってきたのは1社だけでした。音信不通の1社は「当社ではこの物件は扱えません」と、つれない返事です。(それも請求してから)

 これでは話にならないと、別の一括サイトから4社に見積依頼しました。この中に次候補のリノベ系不動産屋がありました。ほかの3社はあまりパッとしない感じです。同じ集合住宅で取扱実績が多かった銀行系不動産会社は、この中にはいませんでした。

 そこで3つめの一括サイトに挑戦です。その中に今回依頼した銀行系不動産会社がありました。もちろんチェックです。このサイトからは4社に見積依頼しました。うち1社は「取り扱えない」と断ってきたので、実質的には3社です。

 一括見積サイトにも特徴というか得手不得手があって、どのサイトでも顔を出す会社と、特定のサイトでしか表示されない会社があります。一括見積サイトは3つ、それぞれ3社くらいに見積依頼するのが常道だそうです。今回は3つのサイトで計11社に依頼し、実際に見積がきたのは9社という結果でした。順当な線です。

 そのうちの2社と現地確認をし、最初の専任媒介契約で成約です。準備期間は約3ヵ月、売りに出してからは1ヵ月半と、順調でした。決まった価格が売出価格のままというのもラッキーです。最近はインターネットで情報が飛び交い、価格交渉が当たり前になってきたそうです。売出価格を上げておけばもっと高く売れたかも? それは欲です。
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