2017/12/21(木)防犯カメラと監視カメラは違う?

 自宅のセキュリティー強化で、防犯カメラを設置しました。ワイドレンズ付カメラ4台で敷地内を常時録画し、何か異常があった時はその様子を確認したり、記録をコピーして捜査当局に渡したりすることができます。これが不審者に侵入を思いとどまらせる抑止力となり、犯罪を未然に防ぐのが主な目的です。

 防犯カメラの映像は、普段は監視する必要はありません。ただひたすら記録媒体( HDD など)に録画し続け、何も事件がなければ再生されることもないでしょう。一種の保険みたいなもんですね。なかには「仕事」が終わった後の話だと、録画されるのを無視する図太い泥棒もいるそうです。確かに、防犯カメラに犯罪を実力で阻止する機能はないに等しいのが現実です。

 それならダミーカメラでいいじゃないか、という意見もあります。本物にするかダミーにするかは、事件や事故の後で証拠を求めるか求めないかの違いしかないのかもしれません。抑止力を期待するだけなら、そんなに高画質のカメラでなくても 720P 以下の安いシステムでいいという説もあれば、後で役に立たない低画質ならダミーで十分との指摘もあります。どうやら高画質のシステムか、それともダミーかの二者択一のようです。

 セキュリティー強化の第一弾は、1080P の IP カメラ4台と NVR(レコーダー)の組み合わせです。カメラは固定で、単焦点だから画角も固定です。HDD への常時録画は、古い画像に上書きしていくエンドレス方式なので、一度セットしてしまえば何かない限りチェックすることもなさそうです。動かない画を見ていてもつまらないしね。

 そんなことから、防犯カメラとは別に監視カメラを追加することにしました。すでに設置した防犯カメラの守備範囲から漏れた部分をフォローする役割もあります。たまにライブ画像をチェックするのであれば、カメラの向きや画角が変えられる PTZ(パーン・ティルト・ズーム)機能を搭載した機種にしようと考えました。自宅周りの様子を見るためのカメラです。

 なんでこんなに身の回りをカメラで固める気になったのかは、窓の二重化で室内から外の様子が見えなくなったのが一因です。ポリカ・プラダンを通した外の様子は、誰か人が歩いているらしいとか、黒っぽい車が通ったとかいう程度のもので、具体性がないのが難点です。外から家の中が見えない代わりに、家の中から外の景色が見えないのは不便なものです。

 新たに設置した PTZ ドームカメラの画像テストをしていたら、お隣さんがポストに何やら入れているのを見かけました。回覧板です。宅配便や来客を待っているときに、表の様子がわかると助かります。どちらも必ずインターホンを鳴らすから、家の中で待っていればいいけれど、いきなりというのもちょっとね。

 表題の結論は、常時録画で事件・事故がない限り画像を確認しないのが防犯カメラ、たまに(あるいは頻繁に)ライブ画像を見るのが監視カメラ、てなところですか。防犯カメラは保険で、監視カメラは実用品という考え方もあります。ダミーは安い保険にはなるけど、監視カメラにはならないからね。

2017/12/08(金)極端な価格の PoE セパレーター

 今回テストに使用したパッシブ式 PoE セパレーターは、先月末に購入したものです。PoE に対応していない IP カメラに使うことがあるかと思い、800 円もしなかったので気軽に注文しました。ところが、追加注文しようとしたら、10 日もしないのに価格が6倍以上に値上がりしていました。

パッシブ式PoEセパレーター

 前回と同じ出品者じゃないから、前の値段が安すぎたのかもしれません。それでも単純な構造のパッシブ式がオス・メスセットで 5,000 円とは、あまりも高すぎやしませんかね。ネット通販では、こういうことがままあります。普通は送料を含んでいる分だけ高めになっている程度の差ですが、明らかに一物二価のものがあります。それにしてもここまで極端に違うのは珍しいケースです。

 こんな値段ではとても注文できないので、仕方なく別のメーカーのものを頼みました。中国から China Post での発送で、送料込み 247 円と激安です。しかもオス・メスのセットになっていて、大丈夫かしらと疑いたくなる低価格です。それでもきちんとパッシブ式を謳い、その説明まで丁寧にしていたので、出品者を信用して注文しました。

 別のセパレーターの購入者レビューで、「この商品を使ったら動かなかった」とか、「カメラが2台とも壊れたのでお勧めできない」なんてコメントをよく見かけます。パッシブ式だと知らずに片方だけを PoE NVR につないだんだと思います。この激安セパレーターは、「パッシブの PoE は入力と出力パワーが同じと意味します」、「(カメラに)付属する電源を用いて電源を提供します」と、きちんと説明をしています。正規の PoE が 48V 出力でカメラ側の入力は 12V だと知っていれば、間違った使い方をすることはないでしょう。

 WiFi 式のカメラでもカメラ側の電源は必要です。LAN ケーブルが要らないだけで、全くの「無線」にはなりません。カメラの近くに電源がないときは、LAN ケーブルを使って電力を供給するやり方もあります。とくに屋外設置の場合は、窓からフラットケーブルで内と外をつなぐ手が使えます。WiFi が不安定なら画像信号も LAN ケーブルで送ればいいでしょう。

 いまだに届かないピストル型 PTZ カメラがこのケースです。電源は、明暗センサーで ON-OFF する玄関灯(スイッチは常時 ON)から取れないことはありませんが、WiFi のレスポンスが不明です。場合によってはフラットケーブルを使って疑似的な PoE にしようかと考えています。結論はカメラが届いてからですね。

2017/12/07(木)低価格 PoE カメラの落とし穴_2

 PoE セパレーターをセットにした PoE カメラをインチキ呼ばわりしましたが、先に購入した PoE NVR セットも正式な PoE ではありませんでした。PoE とは LAN ケーブルで電力も送れる方式です。正規の IEEE.802.3af/t 規格では、48V 程度の高い電圧で送ることになっています。手元の NVR は正規の 48V 給電ではありませんでした。

 レコーダー(NVR)は4チャンネル仕様で、カメラが4台のセット品です。ほかのカメラをつなぐことがない前提なら、これでもいいでしょう。でも他社の PoE カメラをつないだり、他社の PoE NVR にこのカメラをつなごうとすると、不都合が生じます。今回の我が家のケースです。

 購入先に問い合わせてみました。質問は、「もし NVR の出力が 48V よりも低い電圧だとすると、セットのカメラを他社の PoE NVR(48V) に接続した場合、壊れることはないのでしょうか?」といった内容です。

 すぐに返信が来ました。「念のため確認したいのですが、カメラの LAN ケーブルの色は黒でしょうか?」。 アウトレットボックスを開けて確認したら、ウチのカメラのケーブルは黒ではなくグレーでした。ケーブルの色で仕様が違うみたいです。(グレーだとどうなるの?)

 次に来た返信では、「ご購入された商品の電圧は15Vです。他社のPoE NVR(48V)に接続した場合、動きません」。壊れるとは書いてないが「動かない」そうです。そして、いま業者が在庫しているセットは 48V 仕様だそうです。(おぃおぃ、ウチはバチ物をつかまされたのかい!)

 この手の商品を買うのは、ある程度 IP カメラの知識がある人が多いはずです。きっと PoE 関連の問い合わせが何件かあって、このままではまずいと判断したんでしょうね。PoE カメラ単体で販売しているページの画像を見ると、カメラ側の LAN ケーブルは黒です。単体購入の場合は、他社の PoE NVR に使う前提で、最初から 48V 仕様になっているみたいです。外観はまったく同じでも仕様が違うんですね。(ケーブルの色も…)

 汎用性を考えれば、独自規格の低電圧 PoE よりも正規の 48V 給電のほうが便利です。正規の PoE カメラをケーブル1本で直接つなげるからです。低電圧の PoE NVR だと、LAN ケーブルとは別に電力を供給するケーブルが必要になります。パッシブ式のセパレーターで運よく動けば、途中の経路は省略できるけどね。

 念のためにメールで問い合わせたら、ウチの NVR と業者在庫の NVR は同じサイズみたいです。追加購入した場合、給電の電圧が違うから紛らわしいですね。カメラ側にセパレーターをかますやり方だと、つなぎ換えたときにトラブルの元です。脚立に上っていちいちセパレーターを交換するのも面倒だし…

 結局、購入済みの独自規格 PoE NVR セットは、カメラを組み替えずにそのまま使うのが無難だと判断しました。PoE 仕様の RJ45 端子は抜き差しのときスパークする恐れがあるから、NVR の電源が入った状態でカメラの差し替えはご法度です。いつもの調子でやると痛い目に遭いそうです。

 IP カメラをモニターに映し出すソフトウェアの多くは、カメラ画像の位置をマウスで簡単に入れ替えできるようになっています。きっと活線挿抜しないで済むように配慮されているからでしょうね。
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