2011/03/19(土)マクロを標準代わりに

 文書などの複写には、標準マクロを使います。近接撮影時の収差が補正されているので、精密さを要求される場合は、マクロレンズが必須です。これを標準代わりにしている人もいるでしょう。
 諸収差をクリアする前提で設計されているので、開放値はやや暗めですが、カメラの高感度化で十分兼用できるようになりました。

 135 フルサイズの標準レンズは、一般的に 50mm とされていますが、人間の目に近いのは 55~60mm だと思います。テーブルトップの商品撮影では、50mm よりも 60mm のほうが違和感が少ないように感じます。
 APSC 機と兼用で使うなら、ニコンから出ているような 60mm クラスのマクロがあると便利です。複写とブツ撮りはフルサイズ機で、ネイチャーマクロは APSC 機でと、切り替えて使えます。

 PENTAX のように現時点では APSC 機しか出していないメーカーでも、マクロレンズはフルサイズ対応がメインです。メーカーサイトでは、135 フルと APSC のどちらを基準に等倍撮影ができるのか、わかりにくい表現になっていました。
 50mm で最短撮影距離が 0.195m と書いてあればわかるだろ?ということでしょうか。

 ソニーでは、APSC 機専用の 30mm F2.8 マクロを出しています。135 フル換算で 45mm 相当です。ブツ撮りには焦点距離が短いように思います。
 花のクローズアップの写真とともに、「レンズの最前面から最短約 2cm まで被写体に近づいて撮影でき・・」とありますが、ネイチャーフォトでは被写体との距離をとりたいときのほうが多いはずです。
 どちらかというと、文書などの複写用ですね。コピースタンドには高さの制限があるから、焦点距離があまり長いと不都合です。

 価格的には実売2万円程度と値頃です。フォーサーズ専用と比べて、APSC 機専用は割安です。NEX 用としてEマウントの 30mm マクロが年内に発売されるみたいです。こちらの価格は未定です。

2011/03/18(金)標準レンズは交換レンズ

 コンピューターの発達で、光学設計は格段の進歩を遂げました。計算尺でやっていたら何万年もかかるような複雑な計算が、短い期間でできるようになりました。
 非球面レンズは、収差の補正にそれまで何枚もレンズを組み合わせていたのが、少ない枚数で済む画期的な発明です。特殊低分散ガラスも色収差の軽減に威力を発揮しました。

 いまから何十年か前には、ズームレンズは暗くて重いだけで、写りの面では実用できるシロモノではありませんでした。価格も高かったですね。
 いまでは当たり前のワイド側から望遠側までカバーする、いわゆる標準ズームは夢物語でした。Nikon F が活躍していた時代は、ヨンサン・ハチロク、つまり 43-86mm 程度のものしかありませんでした。
 28mm までカバーする標準ズームが実用レベルになったのは、一眼レフが電子化されてからです。

 いまでは、市販の交換レンズの大半がズームレンズです。それ1本で通常の撮影をカバーできる標準ズームとセットで売られています。デジタル化で撮像素子のフォーマットが小さくなったこともあり、ズーム比の高いものも登場しています。

 短焦点の標準レンズは、いまでは交換レンズの扱いです。昔は、F1.4 が約3万円、F1.8 が約2万円としたものですが、値段が高くなりました。いまや買う人ぞ買うレンズです。
 APSC フォーマット専用で明るい標準レンズは、あまり見かけません。数が出ないからでしょう。それでもニコンからは、DX Nikkor 35mm F1.8G が供給されています。フルサイズ対応の 35mm F1.4G では高すぎるからだと思います。

 PENTAX からは、F値が暗いながらも 35mm F2.4、35mm F2.8 マクロ、40mm F2.8 の3本が供給されています。カメラの高感度化で、明るいレンズは必要ないという考え方なのかもしれません。F1.4 とか F1.8 クラスの 35mm は、そこそこの値段になります。
 いざとなればフィルム時代の 35mm F2 と 43mmm F1.9 がまだ出ています。ちなみに、フルサイズ機のない PENTAX では、50mm F1.4 は望遠レンズの括りになっていました。

2011/03/17(木)戦場カメラマンはレンズ2本

 職業写真家の中で、極限状態で仕事をしている戦場カメラマンなどは、道具としてのカメラやレンズには、自分なりのスタイルが確立しています。機材は最小限にするのが鉄則です。

 必須の望遠レンズのほかに、臨場感を重視したワイドレンズは外せません。もしもに備えて、ボディー2台に望遠ズームとワイドズームを付けて使うのが、平均的なスタイルのようです。
 あとは、ポケットの中に小型機です。万一のときは保険代わりになるし、一般市民に警戒感を与えずに撮影するときには便利です。

 プロらしく135 フルサイズ機のデジイチなら、ワイド系は 16-35mm や 17-40mm、望遠系は 70-200mm や 80-200mm あたりです。
 この組み合わせだと、標準ズームが抜けていますが、小型機で代用するつもりなら、なくてもいいでしょう。

 結婚式の撮影は、標準ズームが威力を発揮します。24-70mm や 24-105mm あたりが使い勝手がよさそうです。気づかれず自然な笑顔を拾うのに、望遠ズームも必要です。
 シャッターチャンスを逃がさないよう、ボディーは2台が理想です。手際よくやれば1台でもこなせますが、万一に備えて、コンデジでもいいから予備機は用意しておいたほうが賢明です。

 スクープ狙いのパパラッチは、超望遠レンズ1本で勝負します。300mm F2.8 いわゆるサンニッパがステータスのようですが、デジイチの高感度化で、1絞り暗い普及型でも十分実用できるようになりました。
 それにしてもサンニッパは高くなりましたね。明るさが倍になると、値段は4倍です。(ダイヤモンドみたい)
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