2009/01/10(土)フィルターと画像処理

 何かと便利なcokinのフィルターセットですが、世の中デジタル時代になって、出番が少なくなりました。
 ほとんどのフィルターが、画像ソフトを使って後から画像処理すれば、代用することができます。

 色温度変換フィルターは、その典型です。K(ケルビン)単位で色温度が設定できる機種なら、何枚もフィルターを持ち歩く必要はありません。
 微妙な色づけも、後で画像処理すれば簡単に行なえます。色彩の変換でフィルターの出番はなくなりました。

 プリシェイドフレームという、マスキングフィルターも不要になりました。双眼鏡や鍵穴から覗いている効果を出す、型抜きフィルターです。
 予断ですが、双眼鏡の視野は、円が2つ並んだ形のマスクが使われています。本当は、2つの円がひとつに重なるようにするのが正しい見方です。世間の誤解を利用しているのか、間違った使い方が世間の誤解を生んだのか・・・

 ダブルマスクという多重合成マスクも不要になりました。撮影時にやるよりも、画像ソフトでやったほうが簡単です。
 中央の被写体が顔で、周りの背景が海の合成写真が、cokinの説明書に載っています。撮影時に合成しようと思ったら、海でロケしなければなりません。画像処理なら、自宅でできます。便利になりましたね。

 こうしてみると、撮影時に使うフィルターは、UVカットとPLフィルターくらいですかね。あとはクローズアップレンズですか・・・

 とは言うものの、画像処理は時間と技術を要求する場合があります。レンズの前に付けるだけのフィルターは、一番手っ取り早いテクニックです。
 クロスフィルターやソフトフォーカス系は、やはりフィルターテクニックのほうに分がありますね。

2009/01/09(金)補色のフィルター

 cokinのフィルターセットの中に、補色のフィルターを組み合わせた際物がありました。レンズの前につけるフィルターと、ストロボの前につけるフィルターが、補色の関係になっているセット品です。

 自然光とストロボ光が、ちょうど半々なら、補色同士が打ち消しあってニュートラルな発色となります。ストロボ光が届かない遠景だけに、レンズにかけたフィルターの色がつくわけです。
 この原理を使えば、背景の色(例えば夕焼け)だけ強調した写真を撮ることができます。コマーシャルフォトのプロがよく使うテクニックですね。

 このカラーバックフィルターは、全部で4色あります。ストロボの前につけるフィルターは、大きい代わりに平面精度が保証されていないので、レンズ前には使えません。カメラ側と同じ精度のフィルターなら、2セットあれば済むのですが・・・
 説明書によれば、「原理は容易に理解できても、実際にはなかなか微妙なもの」だそうです。「辛抱強く試みることが必要」とも・・・

 確かに理屈通りにはいきませんね。テストした結果では、手前の被写体に背景と逆の補色が残ったり、背景の色と同化したりで、ドンピシャとはなりません。被写体や表現意図によっては、少しズレたほうがよいイメージになることがありました。やはり、数撃ちゃ当たる!の世界ですね。

 三原色でよければ、市販のRGB/CMYフィルターの組合せで、同じ効果を出すことができます。カメラ側にはRGBのCCフィルター、ストロボ側にはCMYのPGフィルターを使います。(PGフィルターは引伸機用)
 三原色と補色の原理を理解していれば、2枚重ねで何色にもできるはずです。でも、実際には理屈通りにはいかないでしょうね。
 その微妙なズレが、傑作を生むのかもしれませんが・・・

2009/01/08(木)フィルターセット

 「鶴見商事」でゲットしたcokinのフィルターセットは、ずいぶん役に立ちました。サイズが66x72mmと小さいので、使えるレンズに制約があるのが難点でしたが、ひと通り全部揃っている・・というのは便利です。

 一番活躍したのは、グラデーションフィルターです。
 グラデは、ケンコーやジナーのものも持っていますが、グレーのグラデーションです。cokinのグラデは、ブルーやグリーンなどのカラーものがひと揃えありました。
 タバコ色の「クロモフィルター」は有名です。写真以外に、映画の世界でも多用されています。

 グラデを上下ダブルで使うこともありました。空のブルーと地上のグリーンを同時に強調することができます。
 いまなら画像処理で簡単にできますが、市販のパソコンが8bit主流の時代には、アナログ的なテクニックしかありませんでした。ベルビア発売前に、色乗りの濃いイメージ写真を楽しむことができました。

 色温度変換フィルターも有り難かったですね。色数も濃度も種類が揃っていたから、大抵の場面でイメージどおりの補正がてきました。
 問題は、全部持っていこうと思うと、アルミケース1個分の荷物になることです。事前にチョイスして、フィルターケースに入れるわけですが、予想が外れたときは悔しい思いをしました。持っていかなければ、持っていないのと同じです。

 ミラージュ系のフィルターは、持っていかないことが多かったから、あまり活躍しませんでした。夜景やイルミネーションが目的なら、用意したでしょうが・・・
 際物の三角プリズムは、とうとう出番がありませんでした。
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