このところデジタルカメラの話題が多いのは、2年に一度のフォトキナがあったせいもありますが、そろそろ使い物になりそうなカメラが出てきたのがきっかけです。画素数的にはフィルムの解像度に追いついたとはいえ、画作りについては画像処理でごまかしている機種がまだ氾濫しています。サンプル写真は要チェックです。
ひと口に「画質」といっても、いろんな要素があります。解像力もあればコントラスト、カラーバランスや彩度、ダイナミックレンジなど、評価の基準はさまざまです。個人的な好みもあるから、高画質を定義するのは難しい問題です。
デジタルカメラのサンプル写真を見て、よく写っているかどうかは、見る人によって評価が変わります。RAW データを後で現像したのか、カメラで内部処理した JPEG かでも結果が大きく変わります。
RAW データでの撮影が基本なのはわかっているつもりですが、日常の記録写真まで RAW モードで撮ることは稀でしょう。JPEG での出力が優れているに越したことはありません。世間一般に出回っているサンプル写真は JPEG モードでの「撮って出し」が多いようですが、それでも参考になります。
妖しいのは、メーカーサイトに載っている作例見本です。いかにもスタジオでライティングして撮られたような写真は、無視したほうがいいでしょう。アマチュアがきちんとライティングして撮影することなど日常的にはないからです。
あと気をつけないといけないのは、マクロ写真です。これもきちんとセッティングして撮られている可能性が大です。近接撮影の描写がいいからといって、遠景の風景もバッチリ写る保証はありません。やたらとマクロ写真のサンプルが多い機種は、ほかのサイトに出ているサンプルもあたったほうがよさそうです。
個人的には、人物写真の肌の描写を重視しています。建築物や風景の写真を拡大して見ても本来の質感がどうかはわかりづらいものです。人の肌ならおおむね的確に判断できます。
細かく解像できているかどうかより、質感に違和感がないかを見ています。いまだに肌の描写がのっぺりしたヌメリ感のあるサンプル写真が多いですね。これを「滑らかな肌」という人もいるようですが・・・
前回紹介の X10 と X-S1 は、人物写真のサンプルが見当たりませんでした。ポートレート写真向きでないとしても、記念写真で人物は撮るでしょうに・・・