2008/06/09(月)モノクロ写真の将来
ヨーロッパではモノクロ写真が盛んで、各国にモノクロ専門のメーカーがありましたが、ここへきて急速に衰退しています。ヨドバシやビックには、いまでも輸入もののモノクロ印画紙が置いてありますが、種類も数も少なくなりました。時代の流れですね。
写真がアートだというひとは、モノクロームに対する執着が強いですね。時代を越えて残るのは、きちんと処理されたモノクロだけですから当然かもしれません。カラー写真は、ポップアートに過ぎないというひともいます。
アメリカ映画の大作「風と共に去りぬ」は、RGB三色に分解したモノクロフィルムで保存されているそうです。銀塩画像で耐久性を云々するなら、やはりモノクロームということですかね。
モノクロームのアート性が、色をなくすことで画像のイメージが増幅される・・という意味なら、別に銀塩である必要はありません。デジタルでインクジェット出力でも可能です。インクジェット出力は、専用の紙以外でもプリントできるので、素材を変えて新しい表現を楽しむひともいます。
少し前までは、銀塩プリントの模倣だったけどね。
いかに写真プリントに近づけるか・・から、いかに写真プリントを越えられるか・・に変わってきたようです。モノクロームのアート性が、単なる銀塩素材の耐久性の問題だけでないとすると、その鍵を握るのはデジタル技術なのかもしれません。