2012/03/11(日)デジカメの画素数競争はどこまで?
こうした傾向が続くのは、消費者の誤解に便乗してきたメーカー側にも問題があります。そろそろ謳い文句の筆頭に画素数を挙げるのは、やめにしたほうがいいように思います。高画素化が画質向上に寄与しなくなってきたからです。
ファイルサイズが大きくなれば大容量のメモリーが売れるなど、業界全体の思惑も絡んで、すぐには是正されないかもしれませんが・・・
高画素化の限界は、撮像センサーの解像度と、レンズの解像力とのバランスで決まると考えられます。コンデジは、すでに撮像センサーの解像度がレンズの解像力を上回っています。
ベイヤー配列でローパスフィルターを省略しても、レンズの解像力が相対的に甘くなり、偽色が発生しにくくなっています。さらにレンズの収差をごまかす余裕が出てきました。コストダウンを図るメーカーにとっては、高画素化はまったく無意味ではないみたいです。
APSC サイズ以上の撮像センサーの解像度は、まだレンズの解像力と似たような数値です。APSC で 2400 万画素だと、解像度は約 128 本/mm です。レンズによっては、甘さがわかるレベルですが・・・
実際には、ほとんどの機種がローパスフィルターで画像を散らしているので、実質的な解像力はもっと低いはずです。このクラスのカメラを買う層は、ある程度の知識はあるだろうから、高画素化のメリットがなくなるあたりで止まると考えられます。
当面は、中判用センサーと同じ 4000~4800 万画素あたりでしょうか? このくらいあれば、A2 サイズのプリントが 300dpi で出力できます。風景写真が趣味で、写真展に出品する気がある人なら魅力を感じるスペックです。
ここまでの高画素が必要ない人には、別の機能を盛り込んだ機種が用意されるでしょう。カメラの画素数は、二極化する分岐点に差し掛かったようです。