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2012年03月17日の記事

2012/03/17(土)写真入のテレホンカード

 ポストカードに写真を貼り付けたのは、感材メーカーとラボの発案でした。家庭用のプリンターが普及していなかった当時は、ハガキに印画紙を貼り付ける方法が、少量制作には一番向いていました。
 同じ発想で写真を貼り付けたものに、テレホンカードがあります。テレカをコレクションする人もいて、ちょっとしたブームになりました。

 既に印画紙は、バライタ紙ではなく RC ペーパーというレジンコートタイプになっていました。裏面のコートを剥がし、中のバライタ層を削って、表のベース材と乳剤層だけにします。それを白色のテレカに貼り付けます。
 乳剤層は、水に長い時間浸すと、ふやけて剥離してしまいます。慎重を要する作業でした。

 50 度のテレカは定価 500 円です。当然、写真代のほかに加工料が別に掛かります。値段の高いオリジナルテレカを実際に使う人は少なかったと思います。それでも、機械(電話機)に差し込めなかった、というクレームがありました。原因は写真の厚みです。
 この問題は CD-R や DVD のレーベルでも起こります。レーベル紙を貼り付けたタイプは、スリット型のドライブで引っ掛ることがあります。当時の電話機は、もっとシビアでした。

 携帯電話の普及で、公衆電話を使う機会が減りました。電話機の設置台数そのものが減っているから、駅や公共施設など人の集まるところでないと、テレカが使えません。それでもカード自体に貨幣的な価値があるので、捨てられることはないでしょう。

 固定電話の通話料を未使用テレカで支払う制度は、まだ生きています。磁気カードは1回につき 52.5 円の手数料が掛かります。申込と手続が必要ですが、これが一番高く兌換できる方法です。
 金券ショップに売ったら、たぶん半額以下に買い叩かれるはずです。いまでも付加価値があるのは、アイドルものとアニメキャラくらいです。
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