2012/09/26(水)スタジオ写真とWi-Fi
パソコンにデータを送るのには LAN が使われます。有線と無線がありますが、いずれも一長一短です。有線は転送速度が速く、情報が外に漏れる可能性が低くなります。一方、無線 LAN はケーブルを引きずらなくて済む代わりに、セキュリティーに不安が残ります。有線に比べて転送エラーの確率も高くなります。
無線 LAN を使う場合は、カメラ本体のメモリーカードにも同時記録したほうが無難です。それなら、撮影後に引き抜いて、パソコンの読取装置に入れるのと変わらないように思いますが、読み取りに時間が掛かるのと、事前に粗選りしておくことでセレクトの時間が短縮できる利点がなくなります。同時記録は、万一のトラブルに備えた保険みたいなもんです。
スタジオ撮影での無線 LAN 方式は、キヤノンが力を入れているように見受けられます。何年か前にライティングの相談に乗ったことのある呉服店は、キヤノンの無線 LAN システムを採用していました。メーカーの人に勧められたんだそうです。
個人的には、肖像権が絡む人物写真に無線 LAN を使うのは、ちょっとが不安があります。設定がラフだと画像がよそへ漏洩する危険があるからです。もしこれが企業が開発した未発表の商品写真だったら、クライアントは無線 LAN での撮影を認めないと思います。個人だからいいだろうというのは、肖像権を軽く見た考え方です。
フォトキナで開発発表されたフルサイズ一眼レフの EOS 6D は、Wi-Fi と GPS 機能が搭載されるそうです。メーカーの WEB サイトでは、仕様の中のインターフェースで「Eye-Fi カード:対応」「無線 LAN :可能」となっているだけで、特長として挙げた 10 項目の中にその記載はありませんでした。
スタジオ撮影向きではないということか、無線 LAN 方式を推す方向性に変化が出たのか、ちょっと気になりました。