2012/09/29(土)下取セールと古物免許
中古品を買い取ったり、販売したりするのには、「古物商許可証」の取得が必要です。俗に「古物免許」と言われていますが、正しくは営業許可で免許証とは違います。
業務として中古品を扱うには必須の申請ですが、携帯電話の世界では無縁だったみたいです。写真業界では中古カメラの売買は付き物だから、許可証を取得している小売業者は大勢います。業界によって古物の扱いに対する認識に差があるようです。
今回の事件は、旧型のスマホを下取して海外に転売する方式だったのが、問題視されたみたいです。単なる値引であれば、お目こぼしだったかもしれません。下取した旧品が廃棄される前提であれば、古物の売買にはあたらないからです。値引の口実に下取を謳うことはままあります。公取や消費者センターからクレームがつくことはあっても、古物で警察の御用になることはないはずです。
古物許可証の申請はかなりやっかいで、司法書士など専門家に依頼しないとすんなりいきません。とくに法人は揃える書類が多く、手続きが面倒です。本社だけや出先の事業所だけを申請するのか、全事業所で取得するのかで、手続きの内容が変わります。
もうひとつやっかいなのは、申請を受け付ける窓口で対応が違うことです。各都道府県の警察署が窓口になっていますが、シビアな署もあれば比較的ラフなところもあります。担当者によっても対応が違うから、申請から取得まで、かなりの時間を要するとみたほうがいいでしょう。
今回の一件は、すでに古物許可証を取得している子会社を使い、下取キャンペーンを継続する方向で調整しているようです。古物の扱いを誰も知らなかったというのは、ちょっとお粗末でした。管轄先の警察に通報したのは、おそらく競合先の同業者でしょうね。