2009/01/29(木)「婦人科」の写真家

 銀塩写真全盛のころには、モデル撮影会の手伝いをする機会が結構ありました。プロの先生方には、いろいろ勉強させてもらい、感謝しています。

 スタジオでのタングステン照明は、中村正也先生から教わりました。「婦人科」の大御所だけあって、機材の選定にもこだわりがありました。2kwの大型メインライトと、1kwのスポットライトを切り替えて使います。
 少ない灯数ですが、電気容量を確保するのに苦労しました。壁のコンセントからでは、ブレーカーが飛んでしまいます。電気屋を呼んで、分電盤から別配線する必要がありました。

 人物写真を得意とする写真家でなければ、こんな大掛かり(?)なライトは使わなかったと思います。先生を招いてのヌード撮影会は、屋内でやるので照明が命です。
 東京界隈なら貸しスタジオが一番ですが、地方ではそうした設備はありません。貸しホールかホテルを使うことになります。

 メインライトが2kwといっても、ブルーの色温度変換フィルターをライトの前に被せるから、光量が落ちます。ISO400クラスの高感度フィルムを使って、やっとでした。いまならデジタルだから、楽ですが・・・
 カラーフィルムは、露出の問題だけでなく、光源のパワーを要求します。照明が暗ければ、絞りを開くかシャッター速度を落とせば、適正露出は得られます。しかし、きちんとした発色にはなりません。

 タングステン照明で人物を撮るには、少なくとも2kwの光量が必要です。素人考えで、デーライトタイプの500wランプを数灯使えばいいように思いますが、影が複数出ます。ディフューザーを掛ければ光量が落ちるし・・・

 中村先生が選んだメインライトは、直径1mくらいの大型反射板がついたタイプでした。中央に2kwの巨大な電球が1個セットされています。その前に、大きな色温度変換フィルターを被せます。
 ライティングの基本である「1灯ライティング」の使い方を教えてもらいました。もう一度ライト持ちをさせていただけないのは残念です。
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