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2008年09月19日の記事

2008/09/19(金)カタディオプトリー系

 反射式のレンズは、焦点距離が比較的長い望遠レンズに採用されました。500mmとか1000mmとかの超望遠レンズです。
 光路を折り返す構造なので、レンズの鏡筒を短くすることができます。

 反射式レンズを大きく発展させたのは、カタディオプトリータイプ(特殊光学系)の登場です。タムロンが開発したSP500mm F8は画期的なレンズでした。
 マンギンミラーという裏面コートの反射鏡を使っています。反射鏡そのものが屈折レンズの役割を持っていて、屈折-反射-屈折を1枚の鏡で行なうタイプです。
 収差の補整と全長の短縮が一石二鳥でできるようになり、掌サイズの超望遠レンズが実現しました。

 このレンズは、ただ小さくて軽いだけでなく、写りも抜群でした。副鏡の回折による画像の乱れが少なく、実にシャープな画像です。完全にボケたらリング状のボケになるのは、他の反射式レンズと同じですが、反射式特有のボケ味の汚さは感じません。

 当時、世界で最高峰の反射式レンズは、カールツァイスのミロター500mm F4.5でした。カタディオプトリー系のレンズで、価格は約270万円しました。
 タムロンのSP500mm F8は、その次にランクされていました。数万円で買えたから、庶民の感覚でいえばこちらが一番です。

 発売当初のモデル(55B)は、レンズ基部に着脱式の三脚座がついていました。ところが、すぐに55BBにマイナーチェンジです。
 ミラーショックもシャッターショックも、ボディー側で発生します。あまりに軽いレンズだったので、カメラボディーのほうを雲台に固定したほうがブレにくいという理由からでした。

 55BBからは三脚座をやめて、ボディーに下駄を履かせるスペーサーが添付されました。レンズとボディー底面の高さを調節して、レンズの底面が雲台に当たらないようにするためです。
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