2011/11/21(月)モアレが出やすい被写体
細かくて同じパターンの繰り返しであることは、容易に推察できます。最も身近なのは、洋服などの織物です。千鳥格子など細かい模様のあるものはもちろん、無地でも織目のはっきりしたものは出る確率が高くなります。
商品撮影でやっかいなのはアパレル系です。撮影段階で写ってしまったものは、後から消すのは大変です。無難な方法はフィルムで撮ることです。
室内での撮影でモアレが出やすいのは壁紙です。規則的なパターン模様の壁によく現われます。カーペットもそうですね。建物の外壁も同様です。タイルの貼られたビルは、少し距離が離れると出やすくなります。
一般的に人工物は同じパターンの繰り返しが多いので、完全に防ぐのは無理かもしれません。写り込んでしまったら画像ソフトを使ってレタッチすることになります。
風景写真が趣味のアマチュア写真家は、モアレとは無縁のようですが、まったく関係ないかというと、そうとも言い切れません。
果樹園に張られた網や遠景のフェンス、瓦屋根やレンガ造りの建物などは、モアレが出やすい被写体です。縞枯山の「バーコード」や植林された林なんかも距離によっては出る可能性があります。
通常の撮影で実際にモアレが出る確率は、言うほど高くないようです。茶柱みたいなもんですね。もし出たら茶柱が立ったと思って、あまり悲観しないことです。
プレビュー画面で、白トビ警告や黒潰れ警告みたいに、モアレ警告があるといいのですが、まだ実用されてはいないようです。ローパスフィルターがあれば、まず大丈夫との考えが強いみたいですね。
2011/11/20(日)裸眼でも見えるモアレ
現実の世界は時間と共に絶えず動いているから、眼で見ているぶんにはまったく気になりません。それが一瞬を切り取ったスチール写真になると、目立つことがあります。
実際に黒いトルソーにベールを着けて撮影してみると、モアレがいたるところに現われます。フィルムの場合は眼で見た感じに近い出かたですが、デジタル写真だと違った現れかたをします。
モニター上でピクセル等倍以上に拡大して、干渉縞が写っている部分は、フィルムと同様に消すことができないモアレです。それを徐々に縮小していくと、今度は別の干渉縞が現われたり消えたりします。こちらはモニターのドットとチュールが干渉してできた一時的なモアレです。
これと同様に、出力側の dpi 数と出力サイズによって、別のモアレが現われることがあります。網点を使う印刷物でも同じことです。
ベールのカタログを見ていると、モアレがほとんど出ていないのが不思議です。裸眼で見えているはずの干渉縞もかなり抑えられている印象です。
おそらく目立つところはレタッチして消しているんだと思います。それでもチュールの質感は出ているから、大したもんですね。
1ページ全面を使ったベールの写真は、ちょっとソフトなイメージでした。ローパスフィルターじゃないけど、画像を少し甘くすることでモアレを防ぐテクニックは、ここでも使われているようです。
2011/11/19(土)モアレの確認方法
ということは、モニター画面上でモアレが確認できなくても、出力すると現われる可能性があるわけです。モアレが出るか出ないかは、最終的に出力してみないことにはわからないのが悩ましいところです。
ホームページに載せる画像は、モニター上で出ていなければ、まず大丈夫でしょう。Mac 系は一般的に 72dpi。Windows 系は 15 インチの XGA が 85dpi、23 インチのフル HD が 96dpi です。「画面のプロパティ」で解像度を変更すれば確認できます。
インクジェットプリンターで出力する場合は、実際にプリントしてみることです。モニターでモアレが出ていなくてもプリントに現われることがあります。プリンターによって解像度が違うから、新旧2台ある場合は、プリンターを変えることで解消されるかもしれません。
写真店に銀塩プリントを依頼するときは、出たとこ勝負です。L判と大伸ばしで結果が変わるから、同じデータを使って、まずL判でテスト焼きしてから・・というのは無意味です。
写真店向けのカラープリンターは、大抵 300~350dpi です。少し前のインクジェットプリンターはそのくらいだったから、事前に試し刷りする手もありますが・・・
業者に印刷原稿を渡す場合は、実際に刷る印刷機でテストするのがベターですが、普通は難しいと思います。仮に入稿する原稿が一般的によく使われる 600dpi だったら、同じ解像度のレーザープリンターで試し刷りしてみるといいでしょう。
ちょっとした会社には置いてあるし、モノクロレーザーなら買っても金額的にはしれています。印刷用の原稿を頻繁に扱う場合は、1台用意しておくとなにかと便利です。