2011/12/31(土)最悪の事態を想定する
「酸化セリウム」の先生と原発事故の話をしていて、放射能汚染については最悪の事態を想定しておいたほうがよいのではないか?と尋ねたら、まさにその通りとの意見でした。表には出てないが電力関係でずいぶん死者がいるようだ・・と言ってました。(ホンマかいな)
この程度の数値なら大丈夫とか、健康に影響のないレベルとか言われながら、首都圏のゴミを燃やして出た焼却灰は、濃縮されたため、国の基準では捨てることも埋めることもできないほど高レベルで汚染されています。
原発から出る放射性廃棄物ですら国内で処理する体制ができていないのに、その上に事故でばらまかれた分まで処分するとなると、もうお手上げの状態です。
放射能は目で見えないので、いままでは測定器の数値で判断していましたが、今月になって東芝から放射線が見えるカメラが発表されました。通常の画像にガンマ線の濃度を重ねて可視化する装置です。
色が赤くなるほど放射線量が多いことを示します。ホットスポットが見つけやすくなると期待されていますが、見つけた後どうするか?ですね。ひと口に除染と言っても簡単ではないようです。
今回の災害から学んだのは、日ごろから最悪の事態を想定しておくことでした。想定外というのは認識が甘かっただけの話です。免罪符にならないことは、事態の深刻さが如実に物語っています。
悪い方向にばかり目を向けて年を越すのは、今年限りにしたいものですね。
2011/12/30(金)ダイトラとプラチナの共通点
もうひとつ注目したいのにダイトランスファープロセス(略してダイトラ)というのがあります。こちらはカラープリントの技法です。印画紙ではなく、印刷に近い方法でプリントします。
三色分解したフィルムに染料を含ませ、YMC の3版を使って紙に転写します。版画みたいなプリント方法です。
これ専用の転写フィルムがあったのですが、20 年ほど前に製造が打ち切られ、いまでは幻の技法となりました。こちらはプラチナプリントとは違って、感光素材を自作するのは難しそうだから、復活は望み薄でしょうね。
ダイトラにこだわらなくても、三色刷りならインクジェットプリンターで一発で刷れます。こちらのほうが簡単で色数も多くて綺麗です。では、なぜダイトラがいいのかというと・・・
完成度を上げるのが難しく、複製できる枚数に限界があるからです。転写フィルムから刷れるのは、数十枚程度だと言われています。版画よりもうんと少ないですね。
写真は「複製時代の芸術」と言われていますが、いくらでも複製できるために、芸術作品としての価値は低く見られてきました。ダイトラのように制作枚数が限られれば、作品の希少性は高まります。
プラチナプリントも制作数に限りがあります。1枚のネガから焼けるのは、せいぜい 100 枚までだそうです。光源が紫外線だからでしょうか?
ダイトラのカラープリントとプラチナプリントの作品は、東京写真美術館と清里フォトミュージアムがコレクションしていて、実物を見ることができます。「百聞は一見にしかず」です。
2011/12/29(木)デジタルからプラチナプリント
プラチナプリントは、常識的には銀塩フィルムの原板を密着焼きして作りますが、デジタルデータからネガ原板を作ることは可能です。つまりデジカメで撮ってプラチナプリントにできるわけです。
その話をすると、オヤジさん以下「長老」たちに、そんなのは邪道だ!と言われそうな気がして、ダンマリを決め込んでいるフシがあります。
私は邪道だなんて言いませんが・・・
デジタルネガというと、フィルムからデジタル化したデータや RAW データをイメージする人がいるかもしれません。実際にそういう言い方をする人もいます。
ここでいうデジタルネガとは、デジタルデータからインクジェットプリンターを使って、透明フィルムに出力したものを指します。この方法ならかなり大きなネガ原板が得られます。
プラチナプリントの印画紙は、感度が低いのと、露光に紫外線を使う関係で、引伸機で拡大プリントすることは無理です。密着焼きが原則です。銀塩にこだわると、バイテン(六つ切)のプリントにするのがやっとのことでした。
それがデジタルネガだと、 A3 はおろか A2 や A1 の巨大な原板が作れます。ここまで大きくなると、露光は太陽でしょうね。あとは現像バットをどうするかです。
デジタル化されたネガ原板では、プラチナプリント本来の持ち味を損なうのでは?との疑念がありますが、調べた範囲では、そんな心配は不要のようです。
黒の締まりと独特のトーンが、デジタル臭さを一掃するんでしょうね。先生の御曹司が目をつけたのは、そこかもしれません。