2011/12/30(金)ダイトラとプラチナの共通点

 古典的な写真技法にプラチナプリントというのがある話題を採り上げました。銀塩素材とは違い、白金を使ったモノクロプリントです。その表現力だけでなく、最も耐久性のある写真素材として、高く評価されています。

 もうひとつ注目したいのにダイトランスファープロセス(略してダイトラ)というのがあります。こちらはカラープリントの技法です。印画紙ではなく、印刷に近い方法でプリントします。
 三色分解したフィルムに染料を含ませ、YMC の3版を使って紙に転写します。版画みたいなプリント方法です。

 これ専用の転写フィルムがあったのですが、20 年ほど前に製造が打ち切られ、いまでは幻の技法となりました。こちらはプラチナプリントとは違って、感光素材を自作するのは難しそうだから、復活は望み薄でしょうね。

 ダイトラにこだわらなくても、三色刷りならインクジェットプリンターで一発で刷れます。こちらのほうが簡単で色数も多くて綺麗です。では、なぜダイトラがいいのかというと・・・
 完成度を上げるのが難しく、複製できる枚数に限界があるからです。転写フィルムから刷れるのは、数十枚程度だと言われています。版画よりもうんと少ないですね。

 写真は「複製時代の芸術」と言われていますが、いくらでも複製できるために、芸術作品としての価値は低く見られてきました。ダイトラのように制作枚数が限られれば、作品の希少性は高まります。
 プラチナプリントも制作数に限りがあります。1枚のネガから焼けるのは、せいぜい 100 枚までだそうです。光源が紫外線だからでしょうか?

 ダイトラのカラープリントとプラチナプリントの作品は、東京写真美術館と清里フォトミュージアムがコレクションしていて、実物を見ることができます。「百聞は一見にしかず」です。
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