2017/01/29(日)使いやすいカメラに加工する

 あのカメラじゃないとイヤッ!とダダをこねている呉服屋の女子社員は、写真の基礎知識も怪しいド素人です。以前写真スタジオにいたといっても、接客技術さえあればあとはどうにかなる、今風の子供写真館のスタッフです。そんなおねえちゃんのわがままに、百戦錬磨の社長が翻弄されているとは、微笑ましいというか、滑稽というか…

 機材に対するカメラマンのこだわりは、人によって様々です。見栄で高級機を持ちたがる人もいますが、たいていは使い勝手の問題です。どうしても使いたい機能がなければ致命傷だけど、使い勝手が良いか悪いかは人それぞれです。往々にして職人さんは、道具のちょっとしたところにこだわるものです。

 手元にある銀塩時代のレンズの大半が使えるので、ソニーのα7Ⅱを購入したものの、あまり使っていませんでした。このブログに写真画像を載せることにしてから、使う機会が増えました。超人先生じゃないけど、家電品で作品を撮る気にはなれませんが、日常的な記録には使えそうです。

 初めてカメラを構えたときに気になった点があります。従来のα用交換レンズは専用のマウントアダプター(LA-EA4)を使うのですが、下の方に出っ張りがあってカメラのホールディングがうまくいかないことです。カメラボディーの下にスペーサーがあれば、しっかり構えられるのに…

 調べた範囲では、サードパーティーも含めて同様のパーツは提供されていませんでした。Eマウントレンズを持たずに、Aマウントレンズだけで運用する人もいるだろうに、なぜなんでしょうね。たぶん縦位置グリップを使えということだと思いますが、マウントアダプターだけでもかさばるのに、縦グリまでつけたのではゴツ過ぎます。

 昔、現像所で機器メンテをしていた友人は「ないのなら作ればいい」といつも言っていました。地元の鉄工所に足しげく通って、何度も自作パーツでしのいだ経験がある人です。残念なことに去年の暮れに病気で亡くなってしまいました。自分の体はパーツを作ってしのぐことはできませんでした。(ご冥福をお祈りします)

 そんな先達の教えに従って、使い勝手の悪いα7Ⅱのスペーサーを自作したわけです。Aマウントレンズを手持ちで撮影するときに、安定したホールディングが確保できます。手ぶれ補正機能もあるから、これで鬼に金棒です。三脚に据えるときは、マウントアダプターの底に1/4インチのネジ穴があります。
自作のスペーサー

 困ったのはこの写真を撮るのにα7Ⅱが使えないことです。自分が被写体だからね。今回はコニミノのナナデジを引っ張り出してきて撮りました。例によって、ブラックアウトのリコール症状が出まくりですが、騙しだまし使うしかないでしょう。高感度に弱いのと撮像版が小さい(ワイド側に弱い)点を除けば、このカメラでも十分です。
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