2008/01/25(金)ISO800の「写ルンです」はない

 ネガのISO800にまつわる話をしたあとで、「写ルンです800」の現行バージョンを調べてみました。ない!ないんですね、ISO800を使った「写ルンです」が・・・

 FUJIFILMのWEBページに載っているのは、スタンダードタイプとしてSUPERIA400の「シンプルエース」と、SUPERIA Venus400を使った「400エクストラ」の2種類。あと、高機能タイプとして出している「Hi-Speed」「Night&Day Super」「Room&Day Super」の3種類は、ISO1600のフィルムを使っています。

 レンズ付きフィルム(間違っても「使い捨て」なんて言ってはいけない!)は、リサイクルシステムができていて、戻ってきた部品の都合で次の生産予定が変わる―という側面を持っています。価格的な戦略商品「シンプルエース」は、根強いですね。たくさん出回ってますから。
 それにしても、わざわざSUPERIA400という旧タイプのフィルムを使う必要があるんですかね。コスト的にはSUPERIA Venus400に統一したほうが安くあがると思うんですけど。ひょっとして、昔あった「格外」の印画紙みたいにVenusのB級品だったりして・・・ まさか、それはないでしょうね。

 結婚式の撮影で、万一のトラブルに備えて保険代わりに用意しておくなら、ISO1600の「写ルンです」を推奨します。ISO400では役に立ちません。3種類のなかでとくにお薦めなのは、「Night&Day Super」です。夜景モードは32mm/F5.6、シャッター速度1/45秒です。ISO1600なら何とか写ります。姉妹機種の「Room&Day Super」は、F6.2です。こちらは、被写界深度を稼いだ一般室内向け、ということでしょう。

 話がそれて、「写ルンです」の宣伝になってしまいました。
 最後の牙城「写ルンです」にISO800のフィルムが使われていないということは、次に生産終了になるフィルムはISO800ではないか?という懸念があります。そうなったら、ISO1600とPRO400の二刀流ですね。
 えっ? その二つも時間の問題ですって? 俗にいう「2010年終焉」説ですか。そのときは、そのときですね。

2008/01/24(木)フィルムの準備は早めに!

 昨日、久しぶりに知り合いの写真屋さんに顔を出しました。「フィルムで撮るひとが減った」とこぼしてました。フィルムワゴンに並べてある種類も本数もずいぶん少なくなってました。

 本サイトで結婚式用に推奨しているISO800のフィルムは、置いてなかったです。PRO400は業務用に近い品種なので、「写し」をやっていない写真屋さんには、まず置いていないと思います。でも、ISO800が1本もない!というのは意外でした。
 フィルムカメラはシーンごとに感度を変えられません。デジタルカメラは高感度対応が進んでますから、対抗上フィルムも高感度のものにシフトすべきだと思います。いままで主流だったISO400だけ並べられたワゴンを見て、ちょっぴり寂しい気持ちになりました。

 へたに在庫を持って期限切迫や期限切れになるよりは、その都度取り寄せてもらったほうが新しいフィルムが手に入ります。でも、フィルムの準備は早めにしておいたほうがいいようです。最近は、メーカー販社も少量の注文だと送料を取りますから、ある程度注文がまとまるまで取寄せてもらえないからです。

 ISO800のフィルムには雅子さまご成婚のときの逸話があります。(本来は「皇太子殿下御成婚の儀」というべきですが、俗世は花嫁中心なのでよしとしましょう)
 当時、ISO800のフィルムは市販されていませんでした。儀式の場所がかなり暗いことは判っていたので、報道カメラマンは「写ルンです800」を大量に買い込んで、暗室でフィルムだけ抜き取って使いました。さすがプロです。
 ドル箱の「写ルンです」を優先して、「ISO800のフィルム単体での発売予定は当面ない」と言っていたFUJIFILMは、報道陣の要請で後日発売に踏み切ります。「イソ800ならぬウソ800だ」と皮肉るひともいたとか・・・
 

2008/01/23(水)よいカメラとは?

 このサイトを立ち上げる前に、知り合いの写真館の先生に話をしたことがあります。その先生いわく、「そんな記事を書くくらいなら、どういうカメラを買ったらいいか教えたほうがよっぽどマシ」・・・なるほど!と妙に納得してしまいました。最近のデジカメは、すごいですからね。

 心に残る思い出の1枚を撮るには、どういうカメラが良いのでしょう?

 1月20日まで、名古屋市にある「ノリタケの森」ギャラリーで、増山たづ子さんの写真展をやってました。増山さんといえば、日本最大の徳山ダムに沈んでしまった旧徳山村で、民宿を営んでいたことで知られています。
 すでにお亡くなりになり、遺作展の形で開催されました。当時撮られた写真には、ふるさとの風景や村民の暮らしが記録されていて、見るひとに郷愁と感動を与えます。

 彼女が愛用していたのは、ピッカリコニカでした。35ミリ判のコンパクトカメラで、カメラに初めてストロボが内蔵された機種です。レンズは38mm/F2.8の単焦点、ピントは目測のゾーンフォーカスです。フィルム巻上げは手巻き式でした。けっして高級機とはいえないカメラです。
 増山さんの話を聞きつけて、当時のコニカがAcom1(エイコムワン)という一眼レフを贈りましたが、「わしゃぁ、こんな難しいカメラはよう使わん」といって、ピッカリコニカで撮り続けたそうです。そのころ一眼レフ市場で苦戦していたコニカの担当者は、「ピッカリコニカでもいいけど本心はエイコムを使ってほしい・・・」とこぼしてました。

 このことを取り上げて、「カメラは何でもいい」と結論づけるのは間違いです。増山さんという人物と、手軽に使えるピッカリコニカという組み合わせがあって、あの写真が残ったわけです。何でもよければ、エイコムのほうがよく写るはずですから。
 本サイトでは、上手な写真を撮るために、何が何でも一眼レフを推奨することはしません。そのひとなりに使いやすいカメラ、使いこなせるカメラが一番よいと考えるからです。

 時が経ち、増山さんはお亡くなりになり、コニカ(現コニカミノルタ)はカメラ事業から撤退しました。残ったのは、増山さんが撮り貯めた膨大な量の写真です。
 写真の本質は、やはりその記録性にあると思います。カメラは、そのための道具でしかありません。
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