2008/01/31(木)ニコンがトップに

 少し前に、デジタル一眼レフ市場でニコンがキヤノンを抜いてトップに踊り出た、というニュースが流れていました。キヤノン派にしてみれば暗い話ですが、ニコン党にとっては明るいニュースです。

 一眼レフユーザーがメーカーの党派に分かれるのは、銀塩時代から変わりませんね。要因はいろいろありますが、一番大きな要素はカメラマウントだと思います。
 ご存知のとおり、メーカーによって使えるレンズのマウントが違います。ニコンのカメラにキヤノンのレンズは装着できません。虫メガネと違ってカメラのレンズは高価ですから、一旦買い揃えてしまうと、簡単に他社へ乗り換えできません。ボディーを買い増したり買い換えたりする場合は、どうしても同じメーカーの機種を選ぶことになります。

 実は、ニコンが一眼レフ市場でトップのシェアを取ったことは、いままで一度もなかったと思います。昭和40年代はペンタックス、その後キヤノンがトップに立ち、世界初のオートフォーカスでミノルタが大逆転しました。その後はミノルタとキヤノンが抜きつ抜かれつで、最後はキヤノンが制しました。
 デジタル一眼レフが一般大衆に売れはじめる前から、キヤノンがトップシェアを握っていましたから、市中に出回っていたEFレンズは、莫大な数量だったと思います。レンズにつられてデジタル一眼レフの売れ行きもキヤノンが先行しました。ニコンは、いつの時代も二番手か三番手だったわけです。高級機で鳴らしたメーカーですから、当然といえば当然なのかもしれませんね。

 同じメーカー同士ならレンズは装着できます。ただし、完全な互換性があるかどうかは疑問です。どのメーカーも黙っていましたが、フィルムとデジタルではレンズに要求されるスペックが異なります。フィルムではキレイに写っていたのに、デジタルボディーに付けた途端、ピントが合わない、周辺が乱れる・・・といったトラブルが相次ぎました。
 黙って新設計のレンズにせっせと切り替えていたメーカーは、ズルイですね。知らずに特価処分の旧レンズを握らされたユーザーは多いと思います。手持のレンズできちんと写らないなら、別のメーカーの機種でもよかったわけだし・・・
 その点、「頭が固い」ニコンのレンズ(ニッコール)は、デジタルで使えないものは少なかったですね。プロの連中は、デジタルボディーがくるとすぐに全交換レンズをテストしてましたが、かなり古いワイド系でもクリアしてました。

 最近は、35ミリフルサイズのデジタル一眼レフが何機種が登場しています。フォーマットが大きくなると、使えるレンズが限られてくるので注意が必要です。APS-Cサイズ専用のレンズはもちろん使えませんが、フィルムできちんと撮れていたレンズでも、デジタルには不向きのものがありますから・・・

2008/01/30(水)明るい話がない

 この間、暗い話が続きました。銀塩がらみの話題になると、どうしても暗い話になってしまいます。明るい話にしようと思うと、デジタルに題材を求めるしかないようですね。

 フィルムカメラに取って代わって急成長を続けたデジタルカメラですが、これから先が明るいかというとちょっと疑問です。
 カメラの販売ルートは、デジタル化(家電化)によって、市中のカメラ店から家電量販店に拡大・移行しました。伸びが期待できる商品には、一斉に力を入れてくるのが家電業界の体質です。ところが、この状況に変化が現れています。ケータイ電話へのカメラ搭載です。
 写真を撮るのにカメラはどうしても必要なアイテムではなくなりました。ケータイなら、撮ったその場で画像を転送することができます。場合によっては、デジカメよりも便利です。

 家電量販店のデジカメコーナーは縮小傾向にあります。伸びが期待できるデジタル一眼レフは、ある程度知識を持った店員がいないと売れません。「白モノ」(冷蔵庫や洗濯機など)が中心の家電店には、目方は軽くても荷が重い(?)商品です。
 もともと家電業界は、「白モノ」がメインの業界です。昔、ビデオカメラが急成長のころ、VHS-Cで気を吐いていたビクターの営業が、「こんな趣味の世界の商品を売っていてもしょうがない」という話をしてました。思わず「えっ!」と不審そうな顔をすると、テレビが売れたほうがありがたいんだそうです。家電業界の体質なんですね。

 明るい話題を探そうと、デジタルに振ってみましたが、なんかまた暗い話になりそうな雰囲気です。

2008/01/29(火)少なくなった写真の年賀状

 毎年、1月下旬になると「お年玉年賀ハガキ」の当選ナンバーをチェックするのが慣わしです。当っていても切手シートくらいですけどね。でも、自宅に置いてあるマッサージ機は、年賀状で当ったヤツです。もらいものですけど。

 写真のポストカードが全盛期のころは、ラボ(現像所)に軽トラで2-3台分の景品が届いたそうです。誤字脱字などの失敗分だけでそのくらい当っていたのですから、全体ではすごい処理量だったことがわかります。それにしても、ずいぶん失敗したもんですなぁ。
 ポストカードは数十枚から数百枚単位です。ちょっとしたミスで、せっかく作った製品がボツになってしまうので、作るほうは神経を使うでしょうね。昨年も知り合いの写真屋さんが痛い目にあったそうです。干支を間違えて前年の猪のまま作ってしまい、数百枚がボツとなりました。メーカーが供給するテンプレートは、2年分のものがあるので、注意しないとね。

 本物の印画紙を使ったポストカードは、ずいぶん減った感じです。その代わりインクジェット印刷が増えました。まったく見なくなったのは、モノクロ印画紙のポストカードです。FUJIFILMのWEBページで黒白印画紙の欄を見たら、ポストカードサイズは「出荷を終了いたしました」と書かれてました。納得。
 コダックはずいぶん前にモノクロ印画紙の製造をやめてしまいました。文化と伝統を重んじるヨーロッパでは、各国にモノクロの感光材料を専門にする企業がありました。でも、ドイツのアグファゲバルトは写真市場から撤退し、イギリスのイルフォードは縮小再建中です。そのうち、世界のどこか一ヶ所で細々と作るようになるんでしょうね。
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