2010/07/25(日)カメラボディーはただの箱?

 フィルム時代に、アマチュア写真愛好家向けのセミナーでいつも言っていたのは、「カメラボディーはただの箱」ということでした。
 シャッターを切った後、ミラーが上がりシャッター幕が開くと、被写体とフィルムの間にあるのはレンズだけです。確かに、カメラボディーはただの暗箱でしかありません。

 デジタル式になって、ただの箱ではなくなりました。撮像センサーが内蔵されたからです。今風に言えば、「カメラボディーは撮像センサー」ということでしょうか?
 実際には画像を処理する機能なども備えているので、そう単純にはいきませんが・・・

 まだデジタルカメラが黎明期だったころに、ある大学の先生に頼まれて、フィルム式一眼レフを改造する相談に乗ったことがあります。カメラは、ミノルタのα807si でした。
 裏ブタに CCD センサーを取り付けたいと言います。圧板に光軸のセンターをマーキングしてほしいという依頼でした。

 バルブでシャッターを開けっぱなしにしておいて、対角線を引けばいいことですが、精度的に不安があります。学術研究用ということで、メーカーの修理室に相談しました。
 懇意にしていた修理マンですが、「メーカーとしては責任が持てない」と、なかなかウンと言ってくれません。「用途は聞かなかったことにして光軸のマーキングだけお願い!」と拝み倒しました。

 後の改造は、大学側でやりました。研究の中味まではタッチしないから、その後どうなったかは知りませんが、何も言ってこなかったところをみると、うまくいったのでしょう。

 まともなデジタル式一眼レフがなかった時代には、天体望遠鏡や顕微鏡に CCD センサーを取り付けるのは、研究者の間ではごく普通の作業でした。
 αのボディーでなければいけなかったのは、3×-1×のマクロズームを使いたかったのかもしれませんね。

2010/07/24(土)APSCはミラーレスに?

 これは私の勝手な予測ですが、APSC クラスの撮像板を持った一眼レフは、ミラーレス機に取って替わられるのでは?

 ライブビュー機能を使えば、ミラー式のファインダーでなくてもパララックスのないプレビュー画像が見られます。ミラーボックスをなくすことで、フランジバックは短くできるし、設計の自由度も高まります。当然コストダウンも図れます。

 あとは、プレビュー画像の品質次第ですね。数年でプリズム式ファインダーと同等になると言われていますが、この時点で一眼レフである必要性はなくなります。
 135 フルサイズの一眼レフは、残る可能性があります。ただし、業務用途や一部のアドアマ層を対象にした機種に限られそうです。

 そうなるカギを握るのは、やはりキヤノンだと思います。自社の Kiss を食うくらいの斬新なモデルが出てくれば、市場を席捲するでしょう。Kiss を食うということは、ニコンもソニーも PENTAX のシェアも食うことになります。

 そうならない要因としては、一眼レフ市場をニコンと2分するシェアを持っていること、市中にある膨大な EOS マウントレンズを後ろ盾として活かしたいこと、等々です。
 どのメーカーも無難に稼げるうちは稼ぎたいだろうし・・・

 コンパクトタイプのデジカメが登場したとき新鮮に感じたのは、液晶ファインダーにこれから撮影する画像が見えたことでした。被写体まで数センチのマクロ撮影は、それまでのフィルム式コンパクトカメラでは不可能だったからです。

 これならミラーボックスは要らない・・という発想にどうしてならなかったのか? 私には不思議でなりませんでした。

2010/07/23(金)一眼レフメーカーの動向は?

 デジタル一眼レフでシェアを2分しているニコンとキヤノンは、ミラーレスの「一眼」を出すのでしょうか?
 先行する他社が消費者の支持を得ている情況を見て、無視するわけにはいかないと思います。自社独自のミラーレス機を模索しているのは、間違いないのでは?

 風の便りでは、ニコンのミラーレス機は、1インチの撮像素子を考えているとか・・・
 撮像素子の大きさは、サチコン管(真空管)時代の計測単位で、実際にはひと回り小さくなります。1インチといえば、APSC とフォーサーズの中間くらいの大きさです。これでは、ちょっと期待外れですね。

 噂の背景には、ニコンがコンパクトカメラ市場で苦戦している情況があるようです。この分野のシェアをミラーレス機で奪回しようという作戦は、十分考えられます。
 シェアを握っている一眼レフは、もう少し流行を引っ張って、その間に稼ぎたいという思惑でしょう。

 ニコンとキヤノンは、良くも悪くも市場を牽引していく力を持っています。他社がミラーレス機で売上を伸ばしていても、その後追いで、自分で自分の首を締めるやり方は避けたいのが本音です。
 ニコンは、ミラー式の一眼レフと競合するカメラは、出さないかもしれませんね。(先生の御曹司の予想は外れ?)

 キヤノンは、コンデジでのシェアも握っています。ミラーレス機の投入は、どちらの市場にも影響を与えます。ニコンと違って頭が柔らかい、というかビジネスライクだから、一気に市場の制覇を狙って投入してくる可能性はあります。
 ビデオカメラ市場でも一定のシェアを持っているから、ソニーの動きを睨みながら・・といったところでしょうか?
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