2010/07/22(木)ファインダーのない「一眼」

 フィルム時代のレンズ交換式カメラには、ライカMシリーズやニコンSシリーズのような、連動距離計を備えたものがありました。コンタックスGシリーズは、オートフォーカスに実像式ファインダー装備という、新しい機能を備えていました。

 デジタルカメラは、撮像板の画像を液晶ファインダーに表示できます。光学式ファインダーなしで済むし、パララックスのないプレビュー画像が見られます。
 いま話題のミラーレスの「一眼」は、こうしたデジタル式の特長をうまく利用したもので、出てきて当然のカメラと言えます。なぜもっと早く世に出なかったのでしょう。

 どのカメラメーカーにも得意なジャンルがあります。技術的なノウハウは、過去の実績の積み重ねです。ニコン・キヤノン・ペンタックスが、ミラー式の一眼レフに力を入れるのは、当然のことだと思います。
 コスト的な問題もあり、135 フルサイズよりもひと回り小さい APSC サイズの撮像板が、デジイチの定番として定着しました。

 フィルム時代の一眼レフを使い続けてきた層からは、不満の声が聞こえます。マウントは同じでも、135SLR 用のレンズがそのままの画角で使えないからです。
 撮像板が小さいにもかかわらず、ミラーボックスの大きさは、135 フルサイズと同じです。フランジバックも同じでした。
 車に例えれば、高級乗用車のボンネットを開けたら、小型車のエンジンが載っていた・・・といったところでしょうか?

 ライブビュー機能を活かして、光学式ファインダーのないレンズ交換式カメラが登場したのは、歓迎すべきことだと思います。
 APSC サイズの一眼レフでもう少し稼ぎたい・・メーカーの思惑をよそ目に、消費者の指向はミラーレス機へとシフトしていくと予測します。

2010/07/21(水)ミラーレス機の活用

 一眼レフでもないのに「一眼」という紛らわしい呼称を使うのは、やはり抵抗がありますが、ミラーレスの APSC 機は、いろいろ活用できそうです。
 ミラーボックスがないから、フランジバックが短くできます。ということは、135SLR 用のレンズは、マウントアダプターを介することで、ほとんどが装着できることになります。

 すでに複数の企業から、マウントアダプターが発売されています。マイクロフォーサーズは、実際の焦点距離が大きく変わるのが欠点でした。APSC 機なら、1.5倍で収まります。35mm が実質的に 52.5mm の標準レンズとして使えます。

 オートフォーカスは利かないし、自動絞りも連動しないから、速写性はありませんが、手元にあるレンズがよりどりみどり使えるのは魅力です。
 ボディーサイズは無理して小さくする必要はないように思います。ミラーボックスがなくなった程度で十分です。小型化よりも、ホットシュー標準装備で、三脚座がしっかりしたボディーが欲しいところです。

 このあたりをニコンが狙っているのでは?という声もあります。「酸化セリウム」の先生の御曹司が言ってました。「ソニーはαマウントを捨てた」なんて言ってるくらいだから、多分に希望的観測のフシがありますが・・・

 SONY NEX シリーズは、小型軽量ボディーにふさわしい専用レンズが出れば、さらにヒットしそうな気がします。135SLR 用のレンズを中心に使うとなると、ボディーが小さいのがアダになります。(あの三脚座ではちょっと・・・)
 常用するなら、現時点では 16mm F2.8 の専用レンズでしょう。俗に「パンケーキ」と呼ばれる薄型レンズです。135 換算で 24mm 相当の広角となります。

 24mm というと、一般的には超広角に分類されていますが、自分にとっては「標準レンズ」みたいなもんです。若いころにニコンFに 24mm F2.8 を付けて、写真を撮りまくっていたので、目がそれに慣れてしまいました。
 ほかのレンズも・・などと欲を出さずに、これ1本で使い倒すつもりなら、買いかもしれません。

2010/07/20(火)ミラーレス機にツァイスGレンズ

 先月話題にした APSC サイズのミラーレスカメラに、CONTAX-G レンズを取り付けるアダプターが登場しました。出たらいいな・・と言っていたら、もう発売です。
 SONY NEX シリーズに、CONTX G1/G2 用の交換レンズが装着できます。

 アダプターを出したのは、中国の KIPON 社です。マイクロフォーサーズ用は前からあったみたいですが、今回のEマウント用は、かなり出来がよいとの評判です。
 CONTAX-G レンズは、ホロゴン以外はピントリングがないので、変換マウントを作っただけでは実用性がないのが難点でした。
 マイクロフォーサーズ用は、小さなダイアルを回してピント合わせをします。Eマウント用は、アダプターの外周リングを回す方式に改良されました。

 ホロゴンをMマウント改造せずに使える・・と思ったのは糠喜びで、どうやら使えないみたいです。ビオゴン 28mm F2.8 は、ほとんど問題ないようですが、ビオゴン 21mm F2.8 は、ちょっとコツが要るんだとか・・・ (ホロゴンが使いたい!)
 フォーカスリングを必要としないホロゴン専用アダプターなら、比較的簡単に作れるように思うのですが・・・

 KIPON 社では、CONTAX-YASHICA マウントのレンズで、ティルトができるアダプターも用意するそうです。フランジバックが短いのを利用して、アオリ機能を持たせるとは考えましたね。
 フォーマットが APSC なら、イメージサークルにゆとりがあります。大きなアオリは無理でしょうが、ちょっとアオリたいときには重宝します。

 NEX-5 を買うならブラックと決めていましたが、CONTAX G レンズが使えるとなると、やはりボディーはシルバーでしょうね。
 フラナー 35mm F2 を買っておけばよかったなぁ。
OK キャンセル 確認 その他