2012/03/08(木)レンズの解像力の話
天体望遠鏡を持っている人なら、簡単に超望遠レンズが作れます。実際に試してみて、分解能の限界を確めてみるのもいい体験です。
解像力という概念があります。チャートに書かれた細かい線を 1mm あたり何本読み取れるか測ります。撮像センサーの場合は、素子が整然と並んでいるので、計算で割り出した数値を解像度と呼んで区別しているようです。
ニコン D800E の撮像素子は 135 フルサイズで 7360×4912 ピクセルだから、1mm あたり約 204 ピクセルです。2ピクセルで1本の線を識別できると考えると、102 本/mm の解像度となります。これはリバーサルフィルムの解像力とほぼ同等です。
FUJIFILM のデータシートによれば、ベルビア(ISO50)の解像力は、低コントラストチャートで 80 本/mm 、高コントラストチャートで 160 本/mm です。プロビア 100F は同様に 60 本/mm 、140 本/mm となっています。
フィルムと撮像素子では特性が違うし、ローパスフィルターの有無も絡んでくるから、単純に比較はできないとしても、高感度に強いぶんデジタルが優位に立ったのは間違いないでしょう。
このくらいの解像度になると、レンズの解像力が問題になりそうです。写真工業 1979 年 12 月号に載っていた「50mm F2 クラスの解像力テスト」を紹介しているサイトがありました。ニッコール S 50mm F2 は、開放の平均値 122 本/mm 、F5.6 の平均値 131 本/mm でした。Nikon F 時代のレンズです。
当時はモノクロフィルムも使われていたので、標準レンズの解像力はそこそこあったと思います。カラーよりモノクロのほうが、乳剤層が薄いぶん解像力が高いこともあり、レンズ性能の評価は解像力至上主義の時代でした。
単焦点レンズはいいとして、ズームレンズの中にはアラが目立つものがありそうです。フィルム時代にも「ズームは甘い」と、よく言われたものです。ベス単みたいにソフトがウリのレンズもあるから、解像力だけがすべてではありませんが・・・