2012/03/09(金)撮像素子の解像度
高画素だから撮像素子の解像度が一番高いかというと、それは違います。センサーサイズが大きいからです。現時点で最も解像度が高いのは、コンデジなどの小型センサーを搭載したカメラです。
1/2.3 インチの撮像センサーのサイズは、6.2×4.6mm です。135 フルサイズの 1/30 の面積しかありません。そのくせ 1600 万画素もある機種が出ています。撮像センサーの解像度は 370 本/mm 以上になります。
ここまでくると、カメラの解像度のほうが、レンズの解像力をはるかに超えてしまいます。レンズが投影する像が相対的に十分甘くなるので、ローパスフィルターは不要です。
そういう意味ではコストダウンに貢献しているのかもしれませんが、意味のない数字をウリ文句にするのは、天体望遠鏡の高倍率と同じですね。某一流メーカーの 1600 万画素コンデジが、通販サイトで1万円以下で売られていました。インチキ望遠鏡みたいな扱いです。
このクラスのフォーマットサイズで使えそうなカメラに PENTAX Q があります。レンズ交換ができるミラーレス機です。1/2.3 インチで 1240 万画素と、ちょっと無理していますが、写りはまあまあです。解像度は約 320 本/mm 。解像力の高いレンズとローパスレスで、なんとかバランスをとっているみたいです。
普通のコンデジでこのくらい写るカメラがあればいいのですが、なかなかそうはいかないようです。コスト的な問題でしょうか? レンズが外れない Q でいいんだけどね。
えっ? 1/2.3 インチで 1800 万画素が出た!? 裏面照射型センサーらしいけど、そんな高画素にせずに高感度画質のアップを図ればいいのに・・・
「高画素=高画質」という消費者が、まだ大勢いるんでしょうね。ツァイスのバリオ・テッサー内臓と聞いて、もったいないことをしたなぁと思いました。