2009/03/26(木)料理の集合写真
試しにそのままの状態で撮影したとします。プリントをよく見ると、四隅の皿が外へ引っ張られて、傾いて写っているのがわかります。
離れた位置から長めの焦点距離で撮れば緩和されますが、被写界深度が浅くなります。手前や奥の料理がボケていたのでは失敗です。
全体にピントがくるように設定しますが、焦点距離が短くなるほど遠近感が誇張されて、手前と奥の皿の大きさが変わります。標準レンズかやや長めの焦点距離がお奨めです。
それでも四隅の皿が傾くようなら、トレーシングペーパーなど腰のある紙を丸めて、皿の下に噛ませます。皿自体を逆方向に傾けて補正するわけです。コインを順番に足していっても構いませんが、皿の数が多いとかなりの枚数が必要になります。
ガラスの食器にはスペーサーが使えません。料理の下に隠れればいいですが、ワイングラスなどはアウトです。なるべく画面の隅に並べないようにします。
料理の載った皿は、傾けることができますが、飲み物が入ったカップは、このやり方ができません。カップを傾けても中身の液体はそのままだからです。中身だけが傾いて写っては、かえって不自然ですね。
コーヒーや味噌汁などの液体ものは、なるべく画面の隅に配置しないのが基本です。
いまではデジタル画像処理でパースの調整ができるようになりましたが、フィルムで撮影していた時代は大変でした。
下地のデコラ板自体にスペーサーを入れてたわませるという、大技を使うこともあったそうです。レンズの歪みを打ち消すように、地ベタを歪ませるには、かなりの熟練を要します。