2009/03/17(火)飲み物の撮影技術
ジュースに入れる氷は、アクリルかガラス製のものを使います。撮影用にいろいろな形の「氷」が出ています。お値段はしっかりしていますが、一生ものです。融けてなくなることはありません。
本物の氷と違うところは融けないことですが、それ以外に決定的に違うことがあります。水に浮かずに沈むことです。偽物の氷は、グラスの底から上のほうまでたっぷり入れないと、沈んで見えるという欠点があります。
いかに本物の氷のように見せるか・・・入れ方にも工夫が必要です。
もうひとつ、「氷」に気泡をつけないようにすることです。本物の氷は気泡がついてもすぐに消えます。氷自体が融けるからです。偽物の氷についた気泡は消えません。炭酸飲料は手強い相手です。
ジュースなどの飲み物は、実物のままだと写りが悪いことがあります。透明感が目で見た感じと写真とで異なるからです。
水で薄めて視覚に近づけます。赤ワインなんかも薄めたほうが実感が湧きます。コーヒーは薄めてアメリカンにするよりも、醤油を薄めたほうが実物に近い表現が得られます。
撮影に使った飲み物は、あとで飲めませんね。
飲み物の入ったグラスや瓶の後ろに鏡やレフ板を仕込んで、透明感を出す方法もあります。栓がしてある新品のワインを薄めるわけにはいきません。後ろから光を当てて透明感を出すのが、簡単で経済的な方法です。
デジタル時代になって、あとから画像処理で飲み物を変えることができるようになりました。オレンジジュースをグレープジュースにするわけです。
喫茶店のメニュー程度なら、この方法を使えば撮影カット数が省略できます。