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2012年05月11日の記事

2012/05/11(金)日食観賞にススは御法度

 子供のころに日食(部分食)が見られるというので、学校で観賞用のサングラスを作りました。ガラスをローソクであぶり、ススを付ける単純なやり方です。いまでは観賞に不適切な方法とされていますが、当時は学校の理科の授業で教えていたから、隔世の感があります。

 セルロイドの下敷でもよいとされていました。不透明ですが、太陽は透けて見えました。危ない使い方です。とにかく子供が失明してはいけないと、まず裸眼で見ないように説得するのが先だったみたいです。

 写真が趣味の人は、PL(偏光)フィルターや ND フィルターが減光に使えると思いがちですが、効果は期待薄です。太陽観測用に ND400 という濃いフィルターがあります。絞りで8段半ほど暗くできます。これなら大丈夫かというと・・・
 実は濃い赤フィルターなどと組み合わせて使う前提で、わざと露光倍数を抑えてあります。ND400 でも足りないとは、恐るべし太陽。

 PL フィルターを2枚以上重ねて回転させると、どの方向からの光も遮断されて、かなり暗くなる位置があります。これに赤やオレンジのフィルターを併用して紫外線をカットすれば、短時間なら眼視できそうです。
 PL フィルターが1枚しかない場合は、ガラスの反射を利用します。平面性のよいガラスに太陽を映り込ませ、それに偏光をかけます。反射してくる光は振動方向が一定なので、PL フィルターで効率よく反射光の量をコントロールできます。

 いずれの方法も単なる思いつきで万全とは言えません。眼視は短時間(数秒程度)に留めておいたほうがよさそうです。まだ日食グラスが手に入るようなら、そちらをお奨めします。
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