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2020年08月16日の記事

2020/08/16(日)IR カットフィルターなしの夜景

 最近の防犯カメラはほとんどが撮像板に CMOS を使っています。赤外線領域まで感知するので IR カットフィルターを使って視覚に近い色調にしています。フィルターなしだと全体にマゼンタがかった変な色になります。これは写真用のカメラでも同じです。

 一方、夜間は赤外線 LED を照射して真っ暗闇でも写るようにしています。IR カットフィルターは、暗くなると自動的に外れます。でないと赤外線 LED の光を捉えることができないからです。この場合、画面はモノクロになります。CMOS の特性を生かした防犯カメラ独特のやり方です。

 夜間でもカラー画像で写るように外構の照明を増やしました。近頃の防犯カメラは優秀で、数ワット程度の照明があれば夜でもカラー画像が見られます。パソコンからカメラにアクセスして、夜間の表示モードを「カラー」に変更すればフルカラー化できます。このとき IR カットフィルターは CMOS の前にかかったままです。

 ところが、先日購入したドームカメラは、夜間の表示モードを「カラー」にしても IR カットフィルターが外れた状態になってしまいます。そのために暗くなると画面全体がマゼンタ色に変わります。IR カットフィルターの ON/OFF は、明るさだけで切り替えているみたいです。こういう動作をするカメラは初めてです。

 販売者(中国)に問い合わせましたが返事がありません。仕方がないので IR カットフィルターを制御するケーブルを基盤から外すことにしました。通電した状態で明るい時に外せば IR カットフィルターはかかった状態のままです。暗くなっても自動的に切り替わることはないはずです。(通電中の作業はくれぐれも慎重に!)

IR カットフィルターのケーブルを外す
[黄色の矢印が IR フィルターの制御用ケーブル]

 このカメラの CMOS は SONY IMX335 で、夜間でもカラー表示できる高感度がウリです。SONY ではこのクラスを STARVIS と呼んでいます。IMX335 を使いながらなぜ夜間のカラーモードで IR カットフィルターを外す仕様にしたんでしょうね。他社のカメラはちゃんと映るのに…

 そういえば、商品の WEB ページでは夜間のサンプル画像がモノクロになってました。IMX335 を採用の場合は、夜でもカラー画像にして高感度を訴求するのが普通です。スモークドームだから少しでも明るさを稼ぎたかったのか、あるいはプログラムのバグなのかわかりませんが、販売者は百も承知の上で売ってるところをみると「確信犯」ですね。

 明るさによって IR フィルターを ON/OFF しない固定タイプのマウントユニットもあります。普通ならそれと交換するのですが、写真を見てのとおり PTZ 機は構造が複雑です。バラすのも大変、組み直すのも大変です。端子を一ヵ所はめ直すだけで元に戻せるから、このやり方が無難だと思います。
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