2008/04/21(月)蛍光灯の色補正
色補正用のCCフィルターを何枚も用意して、蛍光灯の種類によって組み合わせを変えていました。(CCはカラーコンペンセイティングの略)
ケンコーなどのフィルターメーカーからもソリッド(ガラス)タイプの補正フィルターが出ています。FLWというフィルターです。記号のとおり、FL(蛍光灯)のW(白色)タイプを補正することができます。赤紫色をしています。
このフィルターを通して見ると、世の中が赤紫色に見えます。どうしてこれで普通の発色になるのか、不思議に思えますが、白色蛍光灯の下で実際に撮影してみると、赤紫ではなく普通の色に写ります。
アマチュアに蛍光灯が緑色の光源であることを説明するときには、役に立ちました。それでも「そんなはずはない!」という頑固オヤジもいたけどね。
ソリッドフィルターは、FLWという記号のとおり、白色タイプの蛍光灯を補正するものです。昼光色や昼白色だとズレが生じます。三波長でも同じことです。かけないよりかはマシですが・・・
したがって、プロはKodakやFUJIFILMのペラペラのCCフィルターを組み合わせて使っています。大抵は、マゼンタ(M)をベースに、ブルー(B)かレッド(R)を加えて補正します。
以前、FUJIFILMからCCフィルターの補正値を書いたチラシが出てました。無料のヤツです。手元にその部分の切抜が残っているので、紹介しておきます。
白色用 CC35M + CC5B
昼光用 CC15M + CC20R
三波長/EX-N CC35M + CC2.5B (注:CC25Bではなく2.5%です)
三波長/EX-D CC20M + CC20R
水銀灯 CC40M + CC5R
使用するフィルムによって微妙に変わるので、絶対的な補正値ではないけどね。
2008/04/20(日)トゥルーライトの話
トゥルーライト蛍光灯は、独特の形をしています。40Wの直管ですが、表面が「ねじりん棒」になっているので、すぐに見分けがつきます。
色に煩い写真館のスタジオ内照明に使われていて、「お!トゥルーライトですね」なんていうと、そこの先生はまんざらでもない顔をしたもんです。ストロボ照明だから、発色にはほとんど関係ないはずですが、こだわりの姿勢を示したい・・ということでしょう。
実際に撮影用の照明に使うには、40Wの蛍光灯ではパワー不足です。何十本も並べないと実用できません。それにリバーサルだと、若干の補正が必要でした。
のちにパワーを上げるため高輝度タイプのトゥルーライトが輸入されましたが、こちらはかなりの補正が必要で、写真撮影には不向きでした。
トゥルーライトは、現在でも別の商社が輸入しています。20Wが\5,700、40Wだと\6,300くらいです。かなり高いですね。コニカの時代でも\5,500くらいしたけどね。
実際には、40W管で24,000時間の平均寿命があり、普通の蛍光灯よりは数倍長く使えるのでそれほど高いわけではありません。それでも、AAA管より割高です。
トゥルーライトには多くの種類があるので、「ねじりん棒」だといういうだけで写真に適しているとは限りません。よく売られているのは、Ra91くらいのタイプが多いようです。
興味のあるひとは、少し研究してから購入するようにしたほうが無難ですね。
2008/04/19(土)写真検定の光源
写真をプリントするときに、見る光源によって結果の判断が変わる・・ということを気にしているひとは少ないですね。
商売で写真を焼いているひとでも、この問題についてはファジーです。写真屋さんで、検定用の光源まできちんと管理しているところは少ないようです。大抵は、一般的な蛍光灯の下で作業をしています。
なかには律儀なひとがいて、AAA(スリーエー)管という高演色性の蛍光灯を使っている写真屋さんもあります。
太陽の光をRa100とすると、Ra99というスグレモノの蛍光灯です。ひとつ下のランクのAA管でRa95です。一般の蛍光灯はRa90以下ですから、AAA管が最も太陽光に近いことがわかります。
このAAA管を使えばフィルター補正なしで写真が撮れるか?というと、そうではありません。人間の目に見えないだけで、やはり輝線スペクトルがあります。
ネガフィルムやデジカメなら、ほとんどわからないけどね。(デジカメは、蛍光灯モードがあるので、AWBを外せば普通の蛍光灯でも撮れるし・・・)
いくら写真屋さんがAAA管できちんと色検定しても、一般家庭の照明は普通の蛍光灯です。それなら、いっそのこと普通の蛍光灯の下で検定してもよいのではないか?という横着な考え方もないではありません。
でも、普通の蛍光灯には、白色(W)と昼光色(D)や昼白色(N)があります。ほかに三波長タイプというのもあって、EX-W、EX-D、EX-Nと種類が増えていきます。電球色(L、EX-L)まで加えると、かなりの数です。
蛍光灯の種類に詳しいひとは少ないので、混ぜこぜで使っている家庭もあるでしょう。つまり、家庭の照明はバラバラの状態です。
やはり、太陽光を基準にした光源で検定するのが、一番確かで親切なやり方のようですね。