2008/10/16(木)ゲストの記録写真

 写真集の流行で、スナップ写真の撮り方も変わってきました。ゲスト全員の顔が洩れなく写っている記録写真から、新郎新婦が中心のイメージフォトに変遷しています。

 ゲストが写真撮影を頼まれたときは、本職のカメラマンよりも大きなプレッシャーが掛かります。写真集用の写真も頼まれたのなら、もう大変です。
 あとになって身内から文句が出ないように全員の顔を押さえなきゃいけないし、撮り慣れないイメージ写真も撮らなきゃいけないし・・・

 母方の伯母さんからは、「お前の写真は食べているところや折り箱に料理を詰めている場面ばかりだ」と、いつも文句を言われています。
 でも、それが伯母さんらしい自然な姿だから、仕方ないと思うんですが・・ 土門拳のリアリズム写真に傾注しすぎましたかね。

 ゲストの写真は、披露宴でのスナップが中心になりがちです。
 伯母さんの言い分じゃないけど、あんぐりと大口を開けて食事をしている場面よりも、他のゲストと歓談しているシーンのほうが、文句が出にくいですね。

 自然な表情もいいけど、撮るときには一声かけてポーズをとってもらう手もあります。おとなしくて目立たない年配者は、声をかけてもらうと嬉しいみたいです。

 夫婦なら、並んで立ってもらってツーショットで押さえておきましょう。中高年になると、一緒に写る機会が少なくなるので、いい記念になります。
 言葉に出してはいけないけど、正装しているから遺影写真にも使えるしね。全身よりも半身や七分身のほうが顔が大きく写ります。留袖だったら絵柄は裾にしか入っていないから、全身も撮ってあげましょう。

2008/10/15(水)お引きは価値観の縮図

 写真撮影にはあまり関係ない話が続きましたが、知っておいて損はない予備知識です。引き出物は、両家の価値観の縮図です。

 お引きは、披露宴の終わりに渡すか、事前に席に置いてあるかです。普通は一家に1つだから、渡し間違いのないように席に用意してあることが多いですね。
 さりげなく中をチェックして、ゲストへのもてなしに関する価値観を見抜きます。かさを重視していれば田舎風だし、洋菓子とカタログギフトだけなら都会風です。(もし生海苔が入っていたら要注意です・・冗談ですが)

 両家の引き出物が別々のメニューだったらヤバイですね。意見が合わなかった証拠です。
 大きい葛篭(つづら)と小さい葛篭だったら、土地柄の違いでしょう。この価値観の溝は埋まりません。
 デパートの包装紙が異なる場合は、身内に関係者がいるとみて間違いないですね。混在なら話し合いでうまく収めたのでしょう。別々なら意見がまとまらなかったということになります。

 こうしたことは、あまり口に出して言うことではありません。深く詮索する必要もないでしょう。あくまで参考的な情報として頭の片隅に入れておきます。
 もし新郎新婦と親しいのなら聞いてみるのもいいですが、必ず誉め言葉を交えます。かさの大きさを誉めて「うちは田舎だから・・」という言葉が返ってきたら、そこの実家が取り仕切ったということが推察できます。

 自宅に戻ったら、いきなり包装紙を破らずに一応写真を撮っておきます。引き出物の記録写真を入れるか入れないか、渡すとすれば誰にするかは、収集した情報次第です。
 「写真を見るのも腹立たしい!」というひとには渡さないようにね。

2008/10/14(火)カタログギフトの台頭

 物のない時代と違って、結婚式の引き出物に食料品を用意する風習は廃れつつあります。砂糖や油は近所のスーパーで特売してるし、本物の鰹節をもらっても削り器がない家が増えました。

 そんな時代を反映して、カタログギフトを「お引き」に出すことが多くなりました。結婚式に限らず、法事などでも利用されています。
 好きなものが自由に選べるから、使い道のないものをもらうよりもウケはいいようです。量(かさ)がない!と嘆くタイプのひとには不評だけどね。

 「かさ」がないのとは別に、コスト高を嫌うひともいます。
 例えば5千円のギフトなら、カタログに載っている商品は上代で5千円の商品です。現物をまとめ買いすれば、もっと安く手に入る・・という考え方です。こういう価値観は、商売人に多いですね。

 知り合いの写真屋さんの社長は、このタイプで、娘さんの結婚式には自分で引き出物を手配しました。
 産地から直接買い付けた生海苔が、ダンボール箱で積んでありました。相手方の家は、「結婚式のお引きに海苔は・・」と難色を示したそうですが、自分の価値観を絶対視する性格だから耳を貸しません。「嫌なら別々に用意したらいいんや!」とか言ってました。

 お裾分けにもらった生海苔は、焼いてない海苔なので、食べる前にコンロであぶります。ガスコンロは削り器と違ってどこの家庭にもあるように思いますが、最近ではオール電化の家が増えました。
 味を自慢するだけあって確かにおいしかったけど、値打がわかるひとばかりではないと思いますがねぇ。

 賛否両論あるなかで、カタログギフトは、品物に対する不満を最小限に抑える「安全パイ」なのかもしれません。
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