2009/04/09(木)進化するデジカメ
フィルムではできなかった新しい機能が登場しています。
コマごとに感度が変えられる・・というのは、フィルムではできない機能です。しかも自動的に変わるモードは、デジカメならではです。
フィルムでも、感度を変えられるものはありました。FUJIFILMのMS100-1000(RMS)です。撮影時にISO100から1000の間で感度を決めておいて、現像に出すときに指定することができました。しかし、1本丸ごと同じ感度でしか撮れません。
リバーサルフィルムは、プロユースはある程度の増減感ができるから、RMSはすぐに製造中止になりました。
人の顔を認知したり、笑顔を検出したりする機能は、銀塩カメラでも利用できそうですが、開発される前に銀塩カメラ自体が衰退してしまいました。デジカメの特長として捉えても間違いとはいえないでしょう。
オートホワイトバランス(AWB)というのも、デジカメの特長です。フィルムで色温度を変えるには、フィルターを使うかフィルムそのものを入れ替える必要がありました。
色温度を電気的にコントロールするのは、デジタルでないとできません。いささか頼りない感じのするAWBですが、マニュアルで光源を選べるのは、ありがたい機能です。
色温度がケルビン単位で設定できる機種もあります。
カラーメーターを持っていなくても、デジカメである程度の計測ができます。テスト&トライを繰り返せば、納得できるカラーバランスが得られるようになりました。
リアルタイムで撮影結果が確認できるというのは、便利なものですね。
2009/04/08(水)世界的な不況と銀塩
衰退の一途をたどる銀塩写真は、この不況が引導になって終焉するのでは?
かつては花形だった銀塩関連の部門は、いまではどの企業にとってもお荷物です。どこかのメーカーが銀塩から手を引いた・・といえば、そこの株価が上がる世相です。
かろうじて撤退していない企業にとって、今回の世界的不況は、追い討ちになるのではないかと心配しています。銀塩は不採算部門だから、余力がなくては継続できないからです。背に腹は替えられない・・という企業が出てきても不思議ではありません。
もっとも、デジタル化が進んで、銀塩はもう関係ない・・というひともいるでしょう。なくなったところで何の影響もない、と考えるひとは大勢います。
実際に、フィルムや印画紙のお世話になったのはいつ?と聞かれたら、このところズーッとご無沙汰しているのに気づくひとは多いでしょうね。
企業が存続する限り、製造販売した製品に使う消耗品をすぐに生産中止することはできません。そういう意味では、ある日突然に銀塩素材がなくなってしまうことはないでしょう。
しかし、終焉への圧力が高まり、早まることはあり得ます。一時噂が飛び交った2010年終焉説は、その後あまり話題になりませんが、ここへきて現実味を帯びてきました。
今回の不況は、百年に一度といわれています。170年ほどの写真の歴史のなかでは、めったにない試練かもしれません。
その前に襲ったデジタル化の波に続いて、今回の世界的な不況の波が、銀塩写真に引導を渡すことになるのかどうか・・しばらくは気が抜けない状況が続きそうです。
2009/04/07(火)規模が小さいPIE
フォトキナは2年に一度、ドイツのケルンで開催されます。いつも同じ会場です。東京ビッグサイトの全フロアを足したよりも広いかもしれません。1日ですべての会場を見て回るのは無理でしょうね。
日本のPIEは、国内メーカーがほとんどですが、フォトキナは全世界からいろんな企業が参加してきます。
額縁やフォトフレーム関係の企業も半端な数ではありません。日本と欧州の写真文化の違いがよくわかります。細かく見ていると、ここだけで1日かけてもすべてを見ることができないくらいです。
日本から視察に訪れる業界関係者は、半分は観光を兼ねての参加だから、こうしたブースを細かくチェックすることはないでしょうね。一地域の家内手工芸的な会社と、取引する気もないだろうし・・・
フォトキナに中小零細の企業が参加できるのは、ブース代や設営費が安いからだと言います。出張旅費を加えても、日本のショーに参加するよりも安上がりだと言います。日本の展示会経費が高すぎる…と言ったほうが正解かもしれません。
日本は、世界第2の経済大国といっても、人口はたかだか1億そこそこの島国です。物価は高いは、ブース代は高いはでは、海外から参加を希望する企業が少ないのもうなずけます。PIEを商談のイベントにしようというのは、無理があるように思います。
中国で開催されるChina C&Eは、ひょっとすると日本のPIEよりも大事な展示会になる可能性があります。まだ日本企業は、本腰を入れていないように見えますが、欧米の経済状況を考えると、中国の国内市場は魅力のある分野です。人口が違います。
今年のChina C&Eは、どうなるでしょうね。