2009/04/08(水)世界的な不況と銀塩

 サブプライム問題に端を発した世界的な不況は、金融界のみならず、産業界や市民生活にも深刻な影響を及ぼしています。
 衰退の一途をたどる銀塩写真は、この不況が引導になって終焉するのでは?

 かつては花形だった銀塩関連の部門は、いまではどの企業にとってもお荷物です。どこかのメーカーが銀塩から手を引いた・・といえば、そこの株価が上がる世相です。
 かろうじて撤退していない企業にとって、今回の世界的不況は、追い討ちになるのではないかと心配しています。銀塩は不採算部門だから、余力がなくては継続できないからです。背に腹は替えられない・・という企業が出てきても不思議ではありません。

 もっとも、デジタル化が進んで、銀塩はもう関係ない・・というひともいるでしょう。なくなったところで何の影響もない、と考えるひとは大勢います。
 実際に、フィルムや印画紙のお世話になったのはいつ?と聞かれたら、このところズーッとご無沙汰しているのに気づくひとは多いでしょうね。

 企業が存続する限り、製造販売した製品に使う消耗品をすぐに生産中止することはできません。そういう意味では、ある日突然に銀塩素材がなくなってしまうことはないでしょう。
 しかし、終焉への圧力が高まり、早まることはあり得ます。一時噂が飛び交った2010年終焉説は、その後あまり話題になりませんが、ここへきて現実味を帯びてきました。

 今回の不況は、百年に一度といわれています。170年ほどの写真の歴史のなかでは、めったにない試練かもしれません。
 その前に襲ったデジタル化の波に続いて、今回の世界的な不況の波が、銀塩写真に引導を渡すことになるのかどうか・・しばらくは気が抜けない状況が続きそうです。
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