2012/11/09(金)α99はα900を超えたか?

 カメラ系量販店でもらってきたα 99 のカタログを見ていて、気になったことがあります。「α 900 と比べて」とか「α 900 と比較して」という言葉使いが頻繁に登場します。イメージ写真に続く最初の能書きページだけで、3箇所ありました。
 フルサイズで画素数が 2430 万画素と近いからでしょうか? α 900 のディスコンから約1年経って、やっと登場した新製品が同じ画素数では、違いを訴求しないとユーザーが納得しないからかもしれません。

 メーカーの言い分によれば、性能的に向上したのは、「センサー感度をα 900 比で 1.5 倍にアップ」、「さらなる低ノイズ化」、「2倍以上のダイナミックレンジ」とあります。そのほかに、多点分離光学ローパスフィルターによる解像感のアップも謳っています。(なるほど)

 α 900 との決定的な違いを挙げるとすれば、動画対応と電子式ファインダーでしょう。光学式ファインダーでは高い評価を得たα 900 ですが、動画機能はおろかライブビュー機能すらありませんでした。言ってみれば、α 900 はフィルムが撮像センサーに置き換わっただけの一眼レフでした。そこに魅力を感じる人もいますが・・・

 α 99 の電子式ファインダーがどんなものか、実機を触ってきました。そんなに違和感はなかったですね。フレーミングをするには十分だし、光学式と違って実写画像を事前にプレビューできます。見え味はまだイマイチですが、実用上は問題ないと感じました。
 Nikon D800 と同じ高画素のセンサーを採用するには、EVF や動画の性能がまだ追いつかないなどの問題があるようです。スチール写真と動画と両方の機能を求めるのなら、現時点ではα 99 のスペックが落しどころかもしれません。

 α 900 とα 99 は、全く別のカメラとみるべきでしょう。α 900 は、静止画専用のデジタルカメラです。しかも正真正銘の一眼レフです。一方、α 99 は半透過固定ミラー式と EVF を採用したまったく新しいデジタルカメラです。厳密には「一眼レフ」ではなくなりました。
 デジタルカメラとしては、α 99 はα 900 を大きく超えたと思います。ただし、写真を撮る道具として見た場合にどうかは、人それぞれでしょう。

2012/11/08(木)フルサイズ機のクロップ機能

 カメラ系の量販店でα 99 のカタログをもらってきました。ついでにニコンの D800/E と D600 のカタログもゲットしてきました。その辺の家電量販店には、実物はおろかカタログすら見当たりません。店員に言えばどこかから出てくるかもしれませんが・・・

 高級機のカタログは豪華ですね。α 99 と D800/E はどちらも 36 ページ立ての立派なものでした。D800 のほうが分厚く見えるのは、紙の厚みがあるからです。メーカーのリキが入っているのがよくわかります。
 ページ数が多いと言っても、最初のほうは作例見本を兼ねたイメージ写真です。α 99 が 12 ページ、D800 が8ページを充てています。それぞれの特徴がよく出ている写真です。

 訴求したい内容はもれなく網羅されていますが、あまり触れたくない点は、さらりとかわしています。とくに気になったのはクロップ機能の扱いです。D800/E のカタログでは、動画機能のページで紹介しています。NIKKOR レンズのページでは、APSC フォーマットの DX 機ユーザーを意識した記述は見当たりませんでした。
 3630 万画素もあればクロップしても十分な画素数が得られるのに、光学式ファインダーが連動しないのはマイナス要因だと考えているからかでしょうか? フルサイズ機には FX 用レンズを使うのが当然とのメーカー姿勢もあるとは思いますが・・・

 α 99 のほうは、EVF なので、クロップしたときにファインダー全面に画像が表示されます。言い回しは「フルサイズ対応レンズと同様のフレーミングが可能」となっていました。フレーミングは同様でも、記録できる画素数は半分以下になります。下のほうに小さい字で注釈が入れてありました。
 フルサイズで 2430 万画素だと、APSC フォーマットで記録したときに 1000 万画素程度に落ちてしまいます。EVF の特長を訴求できる点なのに大きく扱わないのは、こうした事情がありそうです。

 かといって、APSC 用の DT レンズを加えないと、交換レンズのラインナップが貧相に見えます。痛し痒しといったところです。ニコンと違って APSC 用のレンズをフルサイズで記録する切り替え機能はないみたいです。ユーザーからの強い要望があれば、将来的にファームアップで対応する可能性はあるかも?

2012/11/07(水)「読み書きソロバン」のデジタル化

 アナログからデジタルに変わったものの中で、日常生活に密着した典型例は電卓でしょう。一部でソロバンも使われていますが、珍しい光景になりつつあります。若い層では使い方を知らない人がいるのでは?
 昔から「読み書きソロバン」といって、実生活には欠かせない三大素養でした。このうちソロバンは死語になったと言ってもいいでしょう。

 ソロバンには苦い思い出があります。小学校の低学年だったころ、近所の珠算塾に無理やり通わせられました。元々そういうのには向いてない性格で、ほかの姉弟や友達は早々に終わって帰るのに、いつも自分だけ居残りです。
 物事や現象がなぜそうなるのか考えるのは好きでしたが、単純作業でスピードを競うのは苦手でした。早く計算しろと言われても指が動きません。先生もほとほと手を焼いたみたいで、やっと8級まで行ったところでさじを投げられてしまいました。こちらとしては、やれやれです。
 子供心に、自分が大人になるころには、科学の進歩でソロバンなんか必要なくなる・・・なんて考えたものです。鉄腕アトムや鉄人 28 号が空を飛んでいた時代です。

 高校時代に数学の授業で、手回し式の計算機を見せてもらったことがあります。先生は器用に使いこなしていました。「これがバカにしたもんじゃない」とか言ってましたね。
 経理関係では、電光管式の計算機がすでに使われていたと思います。タイプライターくらいある大きなものでした。卓上計算機のハシリです。ずいぶん高い機械だったようです。

 個人でも使える電卓が登場したのは、社会人になってからです。液晶ではなく電光表示で、普及型は6桁しかありませんでした。それでも1万円以上していたと思います。ポケットマネーで買うには高い道具でした。
 それまでソロバンを使っていたのですが、3回計算したら3回とも答えがバラバラで、しかもどれも正解でないという有り様です。仕方がないので、自腹で買うことにしました。6桁用は 10 万円の単位までしか表示できないので、上桁と下桁を別々に計算して後で足します。不便でした。(ソロバンができたらなぁ)

 そうこうしているうちに、液晶表示で 10 桁まで計算できる電卓が低価格で登場します。その開発スピードと値下がりは、半端じゃなかったですね。電卓を扱っていた小売店の主人が、頭にきて在庫品を表の道路にブチ撒けた・・・なんて話を聞いたことがあります。大損したんでしょうね。

 ワープロで文章を書くようになったと思ったら、今度は読書までが電子化されてタブレット端末です。「読み書きソロバン」は、すべて電子化されてしまうのでしょうか?
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